街そぞろ  白息霞む 赤緑 指折り惑う 聖夜の日まで
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前にそれ 言ったやんかと 言われても 言われた時に 思いしたり
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指しゃぶり布団はだけて寝る吾子のおでこをそっと撫でる明け方
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外見で 惑わされたる 人生を 修正できる 保証はないが
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頼るのも大事だよって君が言う 僕の苦手を知っているのに
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目玉焼きしようと思って めんどくなり パンにて無限ピーマンたべる
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大人でも 発達障害 ざらにあり 年齢なんか ただの目録
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年齢や 経験だけで 人を見て 対応すれば えらい目に遭う
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衣見て うっかり判断 していれば なんか変だと 中身を見よう
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子供でも 大人のような 人ありて 子供の衣 着ている大人
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大人でも 子供のような 人ありて 大人の衣 着ている子供
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この季節 蒔く種もなし さもあらん 借り農園の 費用は嵩む
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散歩中 高齢者には 会わぬよう しているのだが 互いのために
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行く手には 良いこともあり なしもあり さりとてこの世 束の間のこと
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あの人が海に入って遊ぶとき わたしはその水にさわれない
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腹の立つ 他人をよくよく 鑑みて それはかつての 自分ですがな
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生えているのではなく生やしていると 思えばムダ毛もムダでなくなる
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海のように眠る貴方は空にいて 何を考え何を伝えたい。
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骨を断つために斬らせたきみの肉ぼくが集めて焼いときました
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事務机軽々しくなる引き出し音今日まで弊社明日から御社
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父母見上げあるこうあるこうせがんだ日いまや叱咤の歩けや歩け
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冬を告ぐこたつとみかんと北風と少しも減らぬボトルの麦茶
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切り撮ったあの日のかさぶた幾重にもめくれば溢れる鮮やかな赤
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あの子なに?どういうつもり?聞いてるの?知らぬ存ぜぬわたしが仏
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やうやうと白くなりゆく生え際をガーゼの如きバスタオルで拭く
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それならば曲がった松で生き残る昔老子が教えてくれた
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まっすぐに伸びた松のみ切られてく曲がった松は生き残る
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母のためよかれと思って選んでたそれは間違い自分が選ぶ
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君ひろふひろひあつめて何になる貝がらはどれもこれも不恰好
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何度でも紅茶のポットをのぞいてまともでいようとした休日
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