バス揺れる どうかこのまま できるだけ 遠回りをして 景色を見せて
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ひさかたの星月夜には青の渦巻けるゴツホへみな眠らする
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プリキュアと仮面ライダーを見逃して頭痛に悶える酒雑魚の朝
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救われぬ社長目線の労働者軍師目線の足軽に似る
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何かして落ち込むあなた 「だいじょぶよ がんばったもの それで良いのよ」
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夢を見た 中身を忘れもどかしい ただ涙だけ流れてはいた
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曖昧を曖昧にしか書けないこと愛は未だに気づいてない
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遥かさを思い知るときひらかれる門の向こうに獏は佇む
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海の中にも坂道があり十字路があり信号がありみんないる
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籐椅子で眠るあなたはだんだんとずり落ちていき白紙に戻る
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かつてなら天皇陛下がやっていたことをそつなくこなす海亀
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圧倒的多数派であるこのせいもわたしが生きる唯一のせい
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ま白なる波かぜはこぶ虚空にて秋津の翅は幻を継ぐ
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夜と朝の闇と光をとほり来る音のなき青のニルヴァーナかな
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壊るるもしたたかにまた編みそむる儚きゆゑの銀の蜘蛛の巣
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あるときは 女と男 またのひは 女と女 男と男
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チャイムが鳴る美醜を問わずうじゃうじゃとトイレを目指す協力プレイ
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まだなにも言ってないからもう少し深夜のコンビニエンスストア
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いつまでも一緒にいれるわけじゃない 知ってたんだよゆるい幸せ
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なんとなく灯りを消した部屋の隅 今朝にがしたクモはどうしてるだろう
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焼肉のたれに全てを一任し実生活は続く 今日も
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冷蔵庫に茄子の煮びたし眠らせる薩摩切子の青が染みいる
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「まいったな」「どうしたもんか」「こまったな」「それにしてもな」「あれはないよな」
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幸福な適応さえも儘ならぬ薬品漬けの豚は何処いずこ
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台所だいどこ枸櫞くえんの精をまとわせて 所帯の澱はさわやかに散る
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袈裟がけに意味の臓腑を詠み捨てて 京の河原にこうべ供える
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『国富論』読みつつ思うは「我富論」朝のぼらけの眠気をこらえて
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信ずることなにもできずに全形を喪ふゆふべ月と檸檬と
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此ののちも億光年の風を聴く石の在りかた心にしまふ
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吸ひて吐き息をして知る秘密ゆゑ森も浜辺も精霊の国
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