夜が明けるまえの青さを知るひとと世界の終わりの話がしたい
1
月の夜をまあるくゆびで掲げたら横向きのウサギが耳みっつ
1
詠もうかな アプリ起動後 筆進まず 最近感情 起動させてた?
2
帰宅してあづいよ溶けると言いながら野菜を横目に惣菜を出す
2
眼差しの温度を測り記録して 君に提出してあげようか
4
沈んでく とろりと黒い感情に他人ひとは嫉妬と名前をつけた
1
人間も 地球で見れば パラサイト そろそろマグマ 吐き出しそうだ
0
今チャンス 見つめ直そう 人生を これまでのこと これからのこと
1
「サウナだな」マスクも付けてこの暑さ外は、カゲロウ私は、アイス
1
流れ星大きな網で捕まえてたくさん願い叶えたまえ
1
一点を猫が見つめるその先にただ空白があるばかり成り
4
目の傷が痛々しい戦あと猫の世界は、争いばかり
1
息継ぎを忘れてぼくの心臓に名前があれば今、呼んだのに
4
帰宅路のぼやけた文字がいちにちの格闘を教えてくれている
3
命賭す 覚悟でいたが 如何せん 神にはお気に召さないようだ
0
ぼくたちはすれ違いつづけるだろう0と1とを掲げたままで
1
押し込んだ鞄の中で膨らんで溢れ出してるレースの日傘
5
隣席の患者の所作にいらつくも医大待合いつもの如し
5
蔦ごとく腕にチューブが絡まりつ華は咲かねど紅は血の色
5
サンダルの踵の減りが物語る 尽くした日々は夕焼け色さ
3
叔母と母いつの間にやら祖母に似て私もいつかあの顔になる
5
方眼紙みたいで涼しげ大きめの格子模様の夏用スーツ
2
干からびてのたうちまわるミミズ見て我と重ねてうなじが焼ける
6
その恋で かつての傷が、癒せると 思っているの? 馬鹿め!!罠だ!!
1
「回文」が回文じゃない理不尽に抵抗すべく「んぶん」と名付く
2
雨の日は眠れなくなる心臓も排水溝も壊れたままだ
2
見え透いた月曜の嘘が取りざたされて空っぽにならざるを得て
1
溢れてもなお注がれる水のように何も残らぬ夜の徘徊
2
背伸びする淡いベージュが優しさのノクターンを奏でているの
0
しわ増えて十時の電車 青春のサイダーの泡消えよと笑う
4