この香りほんとはきらいだったのにラボの記憶と不可分になる
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涼風は遼河を超える繚乱の緑土をめざす旅団とともに
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立ち上がりテーブルの上顔だしてなにかくれよと訴える猫
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四年ぶり ひ孫らと会い 楽しげな 両親見て 我至福なり
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新聞に書いてあったんだけどまだ本当だとは言い切れないし
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25で遅ればせながら反抗期 息子きみの心は中2なのかい?
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夏至と聞きカレンダーをのぞき込む 夏飛び越えて秋を想った
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いらないよ欲しい物など何もない 大丈夫だよと言ってほしいだけ
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なぜ母は 自分で買った傘じゃなく 私の折れた傘を使うの
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もう誰も面倒見ない栄養の豊富な畑雑草くさの楽園
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忌々しい羽音囀り聞こえたら バルコニーに飛び出す ハトとの闘い
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まだ名前がないってだけでドクターが「大丈夫」っていう病気なの
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還暦に子等からもらいしスマートウォッチ 心拍数と歩数を刻む
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放課後の 声がきこえる 夕涼み タイム・スリップ 夏至の夕暮れ
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何事も無いと勝手に決めていた 検査結果に 不安いや増す
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眼前の 歪む世界は いつもより 僕を優しく 包み込んでゆく
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豪雨でも ピーカンでもなき日に移動 ほど良き陽と風 ありがたきかな
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どこか厭世的な響き、でも ジョージ·ウィンストンのピアノが好き
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君が着るラベル一枚剥ぎ取って飲み干した後すすいで捨てる
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心臓を叩きつけられ脳みそも発散するような感覚これは何
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白き蓮に 顔を近づけて お花は ずっしりと重い 雨後の匂い
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床につく 父の目にも あざやかな 青い朝顔 いっせいに咲く
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若いころ 父に似た人 えらばないと 結局似た人が すぐそばにいる
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くれないの 花咲く野原 銃器持つ 兵進みゆく そんな不条理
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「幸せ」の言葉がなんか高すぎて日常会話で浮いていくんだ
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いわゆるクズの日々過ごし無定義の時間に意味があると信じて
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連れ立って ねこたち廊下に お散歩に 自力でドアあけ 器用なことよ
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足裏を突き刺す欠片に悲鳴上げ 犯人ほしは昨夜の食べこぼした我
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かあさんも猫さん達も食べ物は粒が好みだ豆とカリカリ
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『天』という大きな才に蓋をする 出る杭を打つ嫌らしい文字
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