望月の 明日に吹く風 涼しさに 夜月に乗りて 秋は来にけり
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お誘いを断る理由思いつつ鍋の卵は半熟となり
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枝豆を夏の名残りと固茹でて青い景色を口に広げる
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ヒトという奇跡の存在生むために 必要だった千億光年
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呑みたいな女の話で苦笑い 惚れて振られた昔のことさ
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第一印象は四番目でした 口が裂けても言えぬ絶対
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なんとなく打ち明け話ファミレスで 別居をしてる旦那がいるって
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快晴の観覧車の下待ち合わせ 回ることなくあなたは帰る
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雑踏で愛しい人を見送った ドラマのような歌が聴こえる
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一目惚れ フリマで自作売る君に声掛けたくて爆買いをする
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目的地辿り着けずに畑から中途半端に見下ろす夜景
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こっぴどく振られた人と行った店 三年行けず青春の味
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ボンゴやコンガ。リズムは宇宙を飲み込んだ Black、それはBeautifulだね
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その昔芥川なる人がいてくしゃみをすると「杜子春っ」という
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いつだって疑うこれは夢なのか手傷の数が僕の暦だ
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電線を野暮ったいなと見つめてる 夢見ごこちか平城の夏
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もったりと指で停止をうながすとピタリと黙るラジオカセット
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みんなから煙たがられてた先生の優しい顔する俺の泣き言  
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優しさで戦えるのか僕のまま君の心に青い一撃
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今はただ夢を見ないで眠りたいひかるいのちをあなたに見せたい
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永遠につながっていく並木道君をひっかく子猫に会おう
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怒りを求めよピーターパン夢の国から自殺者が出る
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富士の麓をぶっ飛ばす白い月只今浜松通過中
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空! 山! 海! 自由だねえと笑う君 わたしは田舎ここに縛られている
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夜長く頬杖増えて君想うこのひとときを秋と呼ぶのか
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届かない目ぼしい房を諦めた口にしひとに秋の恵みを
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白い扉は時折は見えるもの、なのでそのまま行き過ぎていい
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日常のたわいなきことから歌生る 今日も君は笑っていたね
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血圧計 君の指が僕の腕に触れるから ホラ見てごらん 測定エラー
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新しいうたくちずさみ君が説くことば強くて笑顔ふんわり
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