蚊に刺され爪でばってん刻み込む足りないネジを求めるあまり
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進化とは環境からの自由です 制御出来たらゲームオーヴァー
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若者は努力で手にし 年寄りは手放すことに心を砕く
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ミルフィーユ君への愛も積み上がる焼きたて口にするまで届け
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背表紙を順に眺めて神さまがこれとささやく図書館の凪
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感動は不意打ちだったりするものでフォルテッシモの夕陽を見てる
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なぜだろうもう味方ではいられない君のすべてが生ぬるく見え
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あの悪のサイクルを寸断させる乾坤一擲けんこんいってきただ狙うのみ
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せながら吸ってみたのよハイライト 貴方の香りを纏いたかった
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飼い犬の瞳に映る我の目は濁っているのかそうでないのか
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千五百万年前の地層から伸びしたそうに貝が出てくる
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いにしえに心はこべば甍波 平城の明日香に萩のこぼれる
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新しい景色を見せてやるために脳の入った体を運ぶ
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巨星落つ 昨日円楽今日猪木 初秋風あきかぜ吹くは 天の招きか
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さよならが憧れている言葉です だって黙ってみんな去るから
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「子供とか 考えてみる?」と君が言う 急に居座って 二十二日目
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「オニヤンマ 早く取ってよ 気持ち悪い!」 可憐な君よ よく似合ってる  
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やろうやろうと思ってはせず幾年月いくとしつき ふとしたはずみでまた始まり
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ぼくたちは涙流さず泣いていい 慰めあって励ましあって
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あんなやつこんなやつらがのさばって我くたばってたまるものかよ
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よく分からん肉を温めてるときが食を1番楽しんでいる
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暮れなずむ空の匂いを嗅ぎ分けた夜が後ろ手に隠した甘さを
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マネキンが見ていた街の往来や潰れた店の前に腰掛け
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冷めた赤そっとすすりて値引き札貼られた西瓜は十月の味
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意味ばかり求めてしまう生き物に九月は逃げる罅を残して
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そこここに曼殊沙華の花咲くように京都の街に思い出がある
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高気温 十月初めに未だなり 出雲の神も さぞ憂いるか
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簡単に手には入るが捨てるには命がけだよ 物も恋人も
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ナンセンスの嵐の海に投げ出され それでも何かを探して生きる
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冷やしてた三ツ矢サイダー開けた時みたいに爆発してる愛情
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