真偽こそ問はずも汝等生活報告へと告ぐ諸氏は国家総動員法迄つづく生茹の鶏卵、糵
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国家乃至約半径三メートルほどの幸福のため今見捨てられたる定型外郵便、または貨車
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ポケットにいちご一粒隠しては 迷う気持ちと単純なボク
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月は観る。 吾妹思ひつ 一人行く そびら見つめし 嫦娥の如く
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冷房がなくてもいいのこの部屋は あなたとふたりぬるい関係
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たそかれの 入道雲と影ふたつ 分けたアイスはユウガオに似てる
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絶対的な無意味さに対立する複製子とエクリチュール
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寝不足で惚けた頭で考えるな、在庫感じろ!燃えよ品出し
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拭えない今日のさみしさ 老けたなと鏡の前ではにかんでみる
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みんなへと私が優しくしていても みんなは私に優しくはない
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来月にオープンかつや テンションが上がる揚げ物てんやも来てや
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朝焼けやカラスが一羽ニトリ前 孤高の強さ黒は染まらず
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バチバチの相撲漫画に惚れ込んで全巻読破日付押し出し
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細菌を殺す薬を入れてみる金魚の治療は鮮やかなブルー
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けふもまた 薄暮の名残を抱き寄せる En la orilla del mundoこんな世界の端つこ にて
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真夜中に 冷蔵庫開け ビール出し 何もなくても キャラメルコーン
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うきうきと 買って帰って 切り分ける 冷蔵庫に入るか スイカ一玉
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会議など 時間の無駄と 感じつつ 一時間かけ 愚痴と報告会
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満席を詰めてもらった真心で借りた装苑モデルの気分
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失言を繰り返し吐くインテリが気の毒哀れ知識より知恵
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暗黒の荒れ野の果てに辿り着くバーで出されたカクテルの味
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茹で蛙の比喩は蛙の本能を舐めすぎだよね。しかし暑いな。
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おあいにくながら乱数表よりも歌が不得手な身・身・身でしてね
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ありがとうございます。あの何か他に訊きたいことはアブラカタブラ
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朝メジャー昼甲子園日暮れても野球ファンには多忙で至福
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現世うつつよに煙が紛れて染みたよでちょいと御手手を繋いでほしい
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あのひとの髪の長さはいつのもの 夢から過去を検索してる
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抱きしめて浅い呼吸を繰り返す 呪いの影が寄せては引いて
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真盛りの 夏の日差しに 吹寄せる エンジュの花は 蛍光の雪
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一人ゆく 旅路も 花の散りぬれば 水面たゆたう 百日紅かな
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