お互いの気持ちさめても 手元には 二人で買ったサーモスカップ
9
旅先で二人一つのカキ氷 スプーン一つ取り合いながら
4
屋上に行けないドアは冷たくて だから私は鳥になれない
4
布団干し窓開け放す五月晴れ子等の帰省を待つ母として
21
「好きだよ。」と 言ってくれてた君の声 ニ度と聴けない 幸せの時間とき
4
朝日に吸い込まれつつある空の青を探している樹々の木陰で
4
夜に聴くラジオニュースも大型の連休入る他変わり無し
4
真っ青な空にリズムを取っていく烏揚羽の黒は無邪気
4
鏡台に吊るし翡翠の勾玉に 笑顔のあなた 呪うの今夜
4
連休は孝行するため帰省するそれは建前本音は秘密
4
爽やかさより暑さ勝つ初夏待った 観光地で氷が爆売れ
1
我ながら当り障りのない会話 出会い頭の社長と専務
4
自意識がブレーキをかけ邪魔をする 派手な車を好きにならない
2
連休の風に当てられ納品路皐月一日気合入らず
1
イライラを閉める力に込めるけどゆっくり閉まるスライド機能
5
春になり同じ時刻のジョギングで 挨拶交わす顔が多彩に
4
バースデーケーキも感情もぜんぶ飲み込んだまま越える境界
3
四人分 子鯉泳ぐ 角の家 君らの幸を 私も祈る
5
はるきても 幸福感が ないのだが 感がないのか こうふくないか
7
幸せな妄想抱え倒れ込み汚泥のような眠りについた
5
予定なき誕生日には初めてのジョギングウェア決意新たに
4
小麦粉を銀のボウルにふるう時の静かな心が好きと思う
11
誠実にさくらは月に触れたがる黄砂と絡み花びらは散る
11
アヒルの子は美しい鳥になったのに私は今もみにくいままだ
3
お別れをしようと告げたこの口が やり直そうの言葉をつぐむ
6
小夜ふけて歌集をめくる指を止め 手編みの薔薇の栞を挟む
7
日曜のデカダンな夜カップ麺喰み動画を眺め明日を無視する
3
蝉、廊下、うわばき、プール、半袖のシャツ、向日葵、入道雲、恋し
4
水族館、晴れの日の散歩、スカイツリー、君との思い出。 青は嫌いだ。
2
孤独より背中のチャック上げること出来ずにもがく日が来る怖さ
4