切れ端の証明写真を貼り付けて「生きたいから」と書きなぐる夜
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はち切れんばかりに膨らむ妄想で君と一緒に空を飛びたい
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「水瓶」の 少しの水を 分かち合う 自由のために 奪い合わずに
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直球の 「生きてりゃいいさ」に 救われた 正真正銘 絶望に効く唄
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思い出と 心と心 つなぐ旅 汽車に揺られて 行ったり来たり
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死して尚 東北人を 励ました 「元気ですか」 明日に希望を
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愛息と 酒場で二人 呑めずに逝った 英五の願い 我が引き継ぐ
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人生は 辿りつくやら つかぬやら 「旅的途上たびのとじょう」で 仰ぎみる空
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「天秤」は 重たい方に 傾くはずが 逆になったり バランスとったり
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妻からの 「時代おくれ」の おっさんに もうなってると いう声は無視
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友と呑む 酒は格別 改めて 手酌酒でも 仕切り越しでも
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四十八で 河島英五 永眠し 早二十一年 思いを馳せる
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怒ること 淫らなことを 抑えれば 慈しみ持て 憐み深く
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嘘のよう 昨夜のことが 夢のよう 静かな朝に 鳥が囀る
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閃光に 息が止まれば 雷鳴が 地を振るわせて 轟きわたる
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目にまつ毛指には棘で耐えられぬヒトの身体は未だデリケート
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まあ人を存在させればいつの日か「なぜ」と問われることくらいある
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この花がなくては夏が越せないと あなたが言った夕顔の白
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抹茶ラテタイムマシーンが発動し終わらぬ会話背にして午後へ
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「ひとにはヒトの」と謂うので肝臓水解物も同じではないか
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東欧の 痛み悲しみ 英五なら どう歌ったか どう寄り添ったか
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早世の 英五は悟る 十七で 酒と涙と 男と女
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大好きな 曲のイントロ 胸躍る 情感込めた バージョン違い
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懐メロや パンチある歌詞 目が覚める 割れてしまえ 地球なんか
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赤と黄を 混ぜる絵具や 願わくば もっと自由に 時間気にせず
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封筒で 抜けた下の歯 持ち帰り 鏡の前で 笑うスキッパー
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ちょっとした 段差で台車 動かない 知恵と心で 隙間埋めたい
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尿酸値 血圧のクスリ のんでても あなたが思うより健康です
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タンポポは綿毛になって飛び立てる光まみれる日まで粛粛
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この国はともかく地球全土では壊れたように殖えているヒト
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