花よりも潮の香りを思い出すパペットを手に駆けたバラ園
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換気扇風を吸い込みパタパタと天気知らせに闇夜震わす
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日常的合目的的トリアージ 例えば冷めたパンをみすてる
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また雨とヒトがうつむくその先で腕を広げる蕗は嬉しげ
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親鳥を亡くした雛が巣立つときメリーゴーランドが静かに止まる
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姪っ子とケンケンパーをしてるから先行くカップル羨ましくない
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辛辣な星占いは見ないふりして今日もゆくラッキーガール
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イニシャルがI・Eの人だれか来て 入川いりかわ江威子えいこあなた以外が
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どこまでも切なの色に染まりゆく夕焼けの空まぶたを揺らす
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君の絵を六十二枚描きました これで三秒生きられますか
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冷えた部屋 ラムネの味がするお酒 何てことない大人になった
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南風すら潔癖で、ヘルベチカ書式みたいな輪郭の夏
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メカメカき未来の戦士サイボーグ Technological-SINGULARITY
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遠き日の悲しみに今名が付いて川底でころり小石が動く
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生きていて構わないのかこの自分手を伸ばす先銀河はあるか
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うるせえなお前らだって惨めだろ一人じゃ便所も行けねえくせに
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何回目?「生まれ変わった僕を見て」言った数だけ死んでいるのに
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「昨日より綺麗だったよ」過去形の形容詞付き暮れがたの空
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彗星のひとひらを射す赤道儀は自動化された乙女のようで
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会話を終わらせるための記号なら いいねもそのスタンプもいらない
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かけすぎたドレッシングだ我々は 社会の器の底にとどまる
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詠みたくて言葉にならず迷う指 出力できる腕も持たない
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夕闇の空が茜であるわけは夕顔の白 引き立てるため
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陽も雨もある欲張りな天気雨 睫毛の雫プリズムしてる
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ぼくたちは飛べない豚でただの豚 地べたでうねうね語り合う豚
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天才と呼ばれたいのに秀才と呼ばれるだけの気だるい曜日
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深夜とも朝とも呼べぬこの空に 「IMG_008」イメージ・ゼロゼロハチと名付けた
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本棚は夏にみっちり詰まるから 本の命を感じる季節
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明け方の空に輝く明星に勇気を貰い一歩踏み出す
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震えぬ身体 怯えぬ心 狂えぬ頭 あなたにはもうわからない(どうしていいか)
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