いま僕が死んでも君には届かない だから死ねないだから死なない
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久方ぶり ぬるめの湯船にゆっくりと やうやう眠気の降りゆく枕辺
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眠るとき君が隣に居たなら、と考えてまた悲しくなった
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病院の前で転んで血が出ても絆創膏して病棟に立つ
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急ぐ用事 まずは一個を完了す ひとつできれば 自分をほめよう
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きのこの山 チョコをぬいだら クラッカー おいしいかなあ? 山チョコだけのがいい
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根拠なく「大丈夫だよ」と口にすることがあなたの最善でした
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早朝の 人身事故は 度し難い 共感するし いらつきもするし
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飛び込んだ 通勤電車は 女性車両 おろしてください 視線が痛い
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嬰児が母を探して泣いている ごめんね私はまだ子供なの
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頑張れるように応援して欲しい 一人じゃ何もがんばれないよ
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海の日は ソルティライチがおそろいで、まつげの長さをちょっと知った日
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あなたの夜は浅いけど波の音色も春風も泡もぜんぶわからないから
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やさしさの上を歩くことでも私はあまりによわいから痛い
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公園の隅に転がる からからの骨を見下ろす瑞々しい眼
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夏の夜の アニソンもよきリフレッシュ へのへのカッパで 元気玉打て
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水たまりはしゃいでわたる 何事もはじめのうちが一番だから
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絶対にこんな夫婦になりたくはないな 一人が正解でした
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髪の毛を梳かす束の間みつめあう他人のようなあなた 誰なの
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角砂糖3つ入れてコーヒーを あの日の恋はやっぱりにが
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喉に孔の声なき世界に住む君へ 届けよ満ちた金木犀の香
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期待して 連絡取れし 高校生 はやる我らも 待つ事忘るな
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雪が溶けるように許されてみたい きっとこれは私のわがまま
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人生は基本鬱ゲーだからこそ「なんかいいな」を見つけないとね
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上司には「はいそうです」と頷いてつまむ海鼠なまこに歯ごたえのあり
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自分で煮た大根がうまい いいんだいいんだ まだ生きるんだ、たぶん
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宵闇のテントの内で聴き入るは絶えずしてある往く川の流れ
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旅先の二日目朝の靴下に今はもう居ぬあの子の抜け毛
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あまりに仕事できないの プライドないの なんもないの なのに、いきるの
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私如きに泣くな いつかお前が私を軽蔑する日を願う
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