はりつめた 糸に鋏をあててるの 紙コップの底 君にあいたい
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悠久の 時を生きる 大河なら 私の罪も 流してください
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巻き上がる髪鼻先をかすめては いつかの母の空気が香る
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手をつなぎかちにてわたる思ひ河しのぶ逢瀬のみづのつめたき
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秤には ちょうどぴったり百グラム 給与明細と しにたいきもち
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荒れ狂う 風の名前を知りたくて 歳時記めくる 午前五時かな
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寿命超え生きとし生けるもの総てはじめから見てる月の光は
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大海に 顔を出したる膝小僧 二百リットルの お湯の主なり
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「人なんて無意味で無価値」の一文に救われた側の者でして
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隣人の視界というその異世界に私もいるのだろうが、見えない
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君の愛が原因で滅ぶ世界に僕を連れて行ってください
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見届けてやれたらいいけど僕は多分 明日咲く花の 水もやれない
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ばれぬよう君の香りがするシャツを一番底で抱く洗濯機
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日暮れきてつんざく稲妻空を割る やめば仏間の菊の静けさ
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かなしみが 赤いのずっと ティファニーに 行けないわたし どこへ行けばいい?
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うつくしいものだけずっと見ていたい だから鏡を叩き割らなきゃ
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葉が茂る葡萄のつるを手でよけて腰伸ばす祖父 夏の入り口
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君の名の五文字に想いはぎゅうぎゅうで母の想いと父の想いで
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五月雨は天使がくれるティータイム芝の水やりさぼらせてくれる
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花びらの散りゆく数は限りなき 葉桜愛でたし歳とるもよし
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呑みながら仕事をこなす日曜は誰も訪ねてこないバースデイ
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君が見し 夢の浅瀬の光る波 その砂浜に わたしも行きたい
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ゆっくりと近づく君の足音とぼくらの始まり、さあドアが開く
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大好きな旅行も自粛今は一人部屋で時刻表を眺める
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二日ぶり家から出れば風の匂は春から夏へ衣替えして
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くそったれ今に見てろとその熱でハーゲンダッツを食べごろにする
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「まだ個体とかいうものを持っていた昔」のヒトとして生きて死ぬ
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灯台のごとし スマホの充電ランプ 八畳海には 充分すぎて
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野ざらしの 髑髏に見えし 葉桜よ 輪廻転生 来年も咲け
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上空に ユニコーンカラー うずを巻く わたあめみたい 君の土産の
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