山本葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。

水しぶき公園にある噴水の爽やかさに見るかつての我ら
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別れの日いきなりかよと友に言うもう旅立ちの列車出る頃
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いちじくの実がなりすぎてジャムにする共に食する相手も居ずに
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飛び立ちて異境を彷徨う時期もあり今故郷(フルサト)に家族を持てり
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蜃気楼船が朧に浮かびおり夢幻の景が空一面に
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烏瓜花開くのは夏盛りその頃にはもうこの地にも慣れ
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いみじくもやりこなしたる大舞台勘三郎の隈取り映える
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春雷の下で雨粒浴びながら手拭い探すポケットの中
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身綺麗な娘に惹かれたのは遠き日か孤独な老いを虚しく過ごす
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米一つ育てる手間は同じでも腹に入らぬこの値段では
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生き様が正直だった母親を思い出しつつ自棄酒浴びる
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誑(タブラ)かすのが当然の世の中に信じられるか我とはいえど
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跳び箱を跳べぬと泣きべそかく娘運動音痴の父を恨めよ
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これ以上我慢はできず恋愛のフリをするのは貴方となんて
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カマキリの子らわらわらと溢れ出て草むらの中四方へと散る
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せめぎ合う横綱相撲かもう少し踏ん張り効かせ挑めよ小兵
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釣り人が川で釣り竿振る季節光の煌(キラ)めき川面を揺れる
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惨めだと思っていたのは自分だけ次の彼女が現れるまで
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催事場各地の駅弁取り揃え売り子の声も張りを帯びたり
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雷鳴の轟く季節ももう時期か夏雲の下雨を避けつつ
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珍しい熱帯魚らを水槽の奥に眺める水族館で
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木犀の花が咲くのはまだ先で夏のシャワーも待ち遠しくて
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なんだかなやる気出ないな学校はもう一度だけ気合入れるか
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だらしなくアイスを手にして二つ三つきらめく光の公園行くか
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いつまでもピュアでいてねと思いつつ君と別れた時の切なさ
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閑古鳥鳴く店ももう店じまいあの時の味美味しかったな
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小雨降り紫陽花(アジサイ)の花溜まる水流れ落ちては再び流れ
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麗蘭という名を聞いて浮かぶのはかつての彼と胡蝶蘭かな
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釣り堀の入れ食いの魚(ウオ)釣り上げてタモへと入れる今日は大漁
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イライラと机を叩くボールペン課長の顔に苦虫浮かぶ
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