葉舟
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570

読売歌壇入選・読売俳壇入選。

足跡が点々続く雪道の靴の小ささ息子じゃないか
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水しぶき浴びる僧侶の寒修行見ているこちらも手合わせ震え
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もうやめて二人を止めてと懐メロを歌う母親こっちは冷める
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卒業の時をぼんやり待つ前に合格しないとキミに告れず
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雪景色今年も見ると驚いて苗場に行きたいなどと思いし
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冬の魚見て歩いてる魚市場ザルの中からお釣り取る店
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石庭に積もりし雪が禅寺の景色をしんと清らかにする
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いやいやをする子をなだめてあやす妹を眺めるだけの独身の俺
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杉山の木々の白さが目に映える間引きするのは雪消えてから
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苦労して生きてきたとは言うもののお菓子と番茶で幸せな祖母
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母が朝急いで電話してるのは締め切り前のおせちの老舗
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クリスマス父にもらったプレゼント赤いソックス中身はお菓子
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あいつには抜かされないと思うのはテストの点より恋の駆け引き
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また来たのそういつも君言うけれど言ってしまうよ好きだの何だの
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寒鯉をそぎ切りにしていただくと釣り師の踏みし雪道思う
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駆け抜けるトライを決める花園の歓声の中もみくちゃにされ
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粉雪が23センチも積もりたり翌朝凍らなければ良いが
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楽しみの忘年会に君は来ずねぎらいよりも恋が疼いて
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新自由クラブというのが有ったっけそういう父にオヤジと言う娘
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いろいろと親に説教されたのでもう行いを止めると土下座
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鈍行の列車に雪が降り積もる電気ーヒーター温もる背中
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寒中の海に神輿が落とされし海の男が奪い合う神
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もう予約したのと母に聞くおせち今年は彼も来るからと言い
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雪渓をザイルを持って渡りおり皆の吐く息白く広がる
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十両の赤い実のなる植え込みにスマホのカメラを向けて撮る冬
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君と行くファミレスでさえ言い出せず他の男子の勇気が欲しい
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怖がりの息子が飛び込む温水のプールの台をじっと見つめる
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途切れなく降る雪の中歩む道街灯の灯がほの明るくて
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人生も針仕事とは似たりけり一目一目が出来栄えとなる
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新梅田地下街の店一人呑む何ともなしの日々も受け止め
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