美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

彼の音楽おとを奇獣のいななきと例えた私ごめんなさいね
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秋のの涼やかな道ぷらぷらと独り下校す女の子あり
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姉はもう妹宛のLINEなど二度としないと心に決めた
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やわらぎと優しさという粒子なら宇宙そらからそれをき放ちたい
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あふる都会幸せ自認する人はどれほどいるのでしょうか
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今日の日を人らしくなく猫みたく過ごせるわれを どうぞ笑って
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はしたなきほど泣き放ち河川の歩道自転車駆る
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いにしえの哲人言いし痴愚演じ狂したフリして遊興せよと
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いつかの日あなたがそうでいたように波音続く夢で見た海
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宇宙までソーダブルーの哀しみを投下せしほど無為の超克
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残照をただ見ておりし憐憫の三億分の一の生命
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人いきれ抜け出し座る並木道緑と鳥のさえずいと
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美しきガレージありて素晴らしき2台の車他人ひと様の城
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気ぶせりな客人独り打ち震えこの世の様に困惑しつつ
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音たてず檸檬れもんの砂が落ち行くに似たりと思う娑婆の明け暮れ
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中途まで我慢を重ね興趣尽き匙投げざるを得ない本嫌い
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鮮やかに消される幕を待ち設け少女は秋の向こうへ馳せる
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喚声も歎声も絶え煙雨降り無人で回る回転木馬
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上からの力がそこは働くとキミは清流天使でいなさい
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いつかまたどこかも知れぬ異世界で私があなたかも知れないわ
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二年間仮りの寿命を定めても風の輪舞ワルツ人間ひと凝視みつめて
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角打ちに行ってこの世のお勉強称して優し酒豪の彼女
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新しき家も変わらずの不在朽ちてもやはり秋は訪れ
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進化論創造論と講演すキミの幼き日々に微笑み
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この世界私と二人重なるも間隙ありてなぶくもの無し
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歔欷きょき混じる飲食ほどに人の世の哀れ愛しさ感じる場無し
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近在の自家ギャラリーの奥様の微笑の余韻秋空に
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経験のけがれが吾子あこを回避する分娩室の永遠とわの誓約
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昼休み職場仲間を離れ来て金木犀を見彼女ひとあり
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意味を捨て問いを捨てたら過去も捨て時間捨てれば身軽になりし
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