美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

懸命にペンを動かす老爺見てふと可笑しみが込み上げ来たり
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死なせない力よ淡く透き通り虹は要らぬとお前は告げる
10
作者など実はなくって人生は知らぬまに成る不思議シナリオ
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かおりちゃん何をしてたのいいけれど既読がついて安心しちゃう
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おごそかな無垢に打たれて傍らに腰をかけても構いませんか
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絵にならぬ生を醜く渡りおる私を棄てることを始めよ
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哀憐あいれんを背負える者が密やかに人と物との砂漠うるお
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美しく哀しいものは空回り自由は憐憫道化者
5
遅参した私にキミの隣席のみが空いていた神在りし時代とき
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対岸のラストスパート凛々しくてキミはやっぱりキミと思われ
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たのしみがいつか終われる難しき人生の秋歩き出します
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果てしなく伸びる舗装の並木道秋の気配が私ゆるめる
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もうバスのエンジンかかり方途無し黙って見合う照れも投げ棄て
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そばかすの破顔一笑愛らしく少年らみな虜となりし
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居場所なきキミを迎えるシェルターが私のうちの深部にあるの
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大衆に隠れ見えないエンジェルがキミに微笑みうなずいている
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衰耄すいもうの迷路のままに身を寄せて秋を探しに出かけましょうか
9
海の夢うつつに見たら異世界のキミと傷分けフォーリンラブ
9
十月の夏陽を浴びて断乎としこの世の客人此処に腰掛け
8
北条の凪は琥珀に煌めきてあらぬ世の者演じてみたり
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琴線に触れる言葉を待っていた父母亡くして以来ずっと
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独り居も次第次第に慣れてくる頑張り過ぎず頑張りましょう
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一分の朝のスピーチ窮迫し覚え知ったる野ばらを歌う
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忘れてた目映い夕日お母さんこれは終わりのある道だから
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不可能と言う言葉こそ力沸く起源のような気もしています
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口悪く度胸座って姉御肌稀星きららという名の少女在りし
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おにぎりとポテトサラダとコロッケでチャッチャッと済ますお一人夕餉
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談笑の帰路窓窓の灯よそれは私にあらず虫の声聴く
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カセットに生録し合いラジオ模しDJごっこ小六の冬
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Fくんと視線が合えば精悍な顔でうなずく十歳とおのときめき
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