美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

呆気ないサヨナラを言う儀式です今日も激しく萎縮してます
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二十年死よりも深く眠りおり神と私はむくろであった
11
膝小僧流れる血みて逃げ出した悪の私におどけてみせた
9
身をかがめあそこが家と指さしたキミが誇れる 初友だった
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草原よ夢もうつつも境無しそこに永遠グリーンガール
10
もし出来るとしたら私顧みず全て抱き寄せ愛で在りたい
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生も死も叶わぬままに彷徨す少女の瞳いとも寂しき
14
割れ鏡見よ世界たちの逆に映るしかない正義の世界
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外物の竜宮城は目に眩し心の砂漠焼け付くままに
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一番に登校してた寂しい少女今は社長の令室となり
14
くれない永遠えいえんなどで催眠を解きはしないわキミはキミでしょ
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葬儀社のワゴンに辞儀し見送りぬ母の八十九年 幕おろす
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深更の医院の廊下滑走すストレッチャーと揺れる母の足指
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カフェはもう詩人ボヘミア項垂うなだれて憂うつ記す場所には非ず
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ただ此処に端座しおるに世の人の困惑するを途方に暮れて
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フェアリーな円周描くてっぺんでボクら逝けずに仰ぐもの有り
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四方よもれて今も独り居かしこまり世界と人間ひとに融和したかい
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八歳で稀少のキミは喜々として世に処せぬ我が業見抜きし
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天使とはまた勇者でもある故に苺タルトの銃を携え
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駈け抜けたこの世の不思議懐かしむ確かなちぎ目前めまえに在りて
12
嘆願も慚愧ざんきも要らずそのままのキミを抱き寄せ光へぶよ
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アスターの小鉢をこの捉えては意味根拠無く贖う日有り
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情報とものと自由の牢獄が侵食尽くす人間ひとの尊さ
8
スタバにて突っ伏して寝ていつまでも動かぬ彼女心配なりし
8
ここに座す月はやっぱり現れてヒイラギナンテン秋の讃美歌
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うるわしき虫の音色ねいろの傍らで遠い貴女あなたと同じ月観る
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死を賭して護るもの有り死を超えて護られているもの常に有り
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極上の45分提供と整骨院の貼り紙見る夜
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松の葉の揺らぎがササと覆うごといらかの並び子らに見えおり
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酷暑の夕群衆の一人となりてすべての祖先胸で呼び掛け
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