ひとふで
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世人もすなる和歌なるものを、始めてみむとて此処に在り。
多趣味な凡愚、動物が好き、毎日犬を愛でている。
再掲などの過去作(※別サイトなど)含め、ジャンルを問はず、稀に毒。
反応あれば励みになります、お手柔らかに頼みます。

※作品の無許可な転載や転用、スクリーンショット等の掲載は固く御断り致します。

わさび山葵より現実からし湧水の 凍らぬ意欲も涸れ果て澱む
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凡人は経験からしか学べぬが 外も歩けぬやまひの身をや
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「寒いだけ」己に告げて口を閉じ 黙っていれば腹も減るまい
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青空に一片ひとひら舞った牡丹雪 すぐに世界を白く染め上げ
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ガラス越し微睡まどろ老犬いぬを慈しみ 冬の斜陽はやがて沈みぬ
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冬至ゆえ 陽の照る時間僅かども 小春日よりの予報は当たり
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鳴かぬなら森へお帰り不如帰ホトトギス 君は自由解雇だ もう来ずに良い
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晩秋の小春日和に蛙哭く 冬眠しなよと言ってやりたい /2023.11.6
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クリスマス 顔も知らない神様が 人の身になり産まれ落ちた日
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幾度目か同じ手口で害されて 河原で石でも積む方がマシ
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夕暮れの秋空高く澄み渡り 去り往く碧が心を拐う
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ラ・フランス食べ頃だと言う家族には 病の我もようなしらしく
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眠れずに過ごす夜長で冷えきった 鼓膜揺さぶる寺の暁鐘ぎょうしょう
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あかい葉を集めて「モミジ」と言ふ君に 「カエデ」と伝えず大人になった
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酒呑みで咥え煙草の亡き祖父の 薄れる記憶猫を撫でてる
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庭のすみ切り株だけが記憶する 猫と老人、幼子おさなごの夢
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栗の木に繋がれていた祖母の犬 いつもわたしをじっと見ていた
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晩秋の雨は染み込み突き刺さり 雪より深く身を凍えさす
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アクリルの板にシールを張り付けて 世界にひとつステンドグラス
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銀河ほど広い形の心から 集めた言葉うたは綺羅星 /ユニシロさんへ
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お願いだ、誰かこの子を引き取って ここにいたより幸せにして
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両の手で作り出し得る幸せは 実体かたちあるものだけに限らず
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もし君が僕の心臓食べたなら キノコぎらいになるのだろうね /「臓器の記憶」
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皆んなのはどんな形をしてますか? 僕の心は、今愛犬の
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時経れば老いて尚増す可愛さよ 仔犬の才か吾めしいたか
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精神のやまひは意識も奪うから 誰か泣いてよあの子のために
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もし僕が、大事なものをなくしても 共に悲しむ宛てすらなくて
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舞姫の扇が如くひらりひら 枝のイチョウが地面に伏した
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夕暮れにとんぼ飛び交い鶴は鳴く 畦の案山子よ羽織りは要るか?
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やらねばと思う程には億劫な 手も付けられぬ日々の雑事よ
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