まんまるだんご
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抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

秋深し褪せしあじさい葉の陰に あな 青い芽が梅雨を夢みる
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鴨五羽の黄色のくちばし木の実食む見とれてひとり秋の日だまり
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隅っこの石蕗つわぶきの花ひかえめに秋の一隅ほっこり照らす
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激痛の嵐の唸る夜の闇 朝の陽に凪ぐ詩歌うたの海見ゆ
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蹴られたらやっぱり泣くよどんぐりの夢は温き手のなかの幸
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地味なれば古木のかげにホトトギス むらさきの花 風と遊べり
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秋風に迷子になりし風船は植木にゆらり来ぬ子待ちおり
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イベントの残り香ねむる公園の静逸の朝ひよどりの鳴く
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秋空の鱗雲に包まれた地界はさかなのお腹の迷宮
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久々の文化の味のお昼なり孫のおごりのステーキ跳ねる / 改作です 文化の日に
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太極拳見つつ杖つき歩く道 小さいあかの落ち葉ふむ
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奮発の孫のおごれりランチなり バイトでためた虎の子にのる
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病む母に息子が南瓜煮試みる煮崩れ嘆くも母はほのぼの \ 追憶 
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アジサイの咲きのこる花色褪せし酷暑に耐えた語り部なるも
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風にゆれ秋明菊は小屋のかげ ひとりで愛をつぶやくような
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杖ついて庶民の怒りを票にこめ一揆を起こした民の心情
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朝日浴び五羽の野鴨の水溜まり近づき座して吾も遊べり
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祖母がいるご詠歌うたう講のあと沢庵茶の香も秋風になり \ 追憶
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百日紅の彩りに酔う夏の日の余韻を断てり切りもどす秋
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花のあと切り倒されし桜樹の涙を知らずキノコがはへる
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同じ身の宵待草と語らひて待てば海路に月のあらはる
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朝陽さす秋の空には半月のおぼろに浮かぶ欠けてやさしい
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日曜日庭の草取り疲れおり「笑点」見つつのらり暮れゆく
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薄暗き五時に目覚ましけたたましい抗癌の朝妻におはよう
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点滴の続く夜にも満月の透き通る秋の光に浸る
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お休みの歌人の事情思はるる忠犬ハチ公お帰りを待つ \ Utakataで
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山陰の「二十世紀」はみずみずしい緑のしずく愁いの滲む
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姉追ってよちよち歩きのちょんまげさん「まって〜」と叫ぶ蝉しぐれふる \ 行った夏
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彗星の「アトラス」テレビで見る夕べ足の自由を願わず暮れる
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家路へのももいろの空夕暮れの育ちゆくかな上弦の月 
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