まんまるだんご
115
130
投稿数
931

抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

家路へのももいろの空夕暮れの育ちゆくかな上弦の月 
35
おむすびをしみじみ食べる苦学生下宿の母の夜の差し入れ \ 追想
21
受験生と作る熱気に氷雨降る家路にホカベン黙食の夜 \ 古老ふんばる
16
秋風に枯れ葉まるまりカラコロと杖ののもと鳴きてころがる
22
ラジオから五輪の歓喜おぼろげにコスモス咲いたひとり旅の日 \ 10\10 東京オリンピック
18
闇の中毛布にくるまり氷雨の 秋桜ぶじや生命あらなむ
16
ゲリラ雨は呪詛の響きや曼珠沙華 倒れし花の庭に秋風
17
血の海の一年経ちぬ怒りだけ ガザ攻め指示のあなたの態度 \ 10/8アメリカに問う
14
杖つきし我と会う人風になり見知らぬ人のおはよう陽のなか
20
窓越しにゴッホのひまわり驚きぬ曼珠沙華の炎の踊る
19
散歩道朝露光る草むらの虫のむらにて杖の音止まる
29
雲を裂き青の浄土見えしはソーダ水飲み地をつき歩く
21
恋情のマグマ吹き上げ曼珠沙華赤い炎は秋夜の花火
20
「おかえり」と鴨に声かけ秋プール遠い空から十六羽来ぬ
24
紫陽花のしおれし花に舞いおりる桜葉の「ラストダンスはわたしに」
19
ごほうびの奮発ランチはサイゼリヤ若鶏ソテーでだるまになりぬ 
20
実朝の哀しみ知ってや蕎麦の花 蝶の舞いきて秋風に揺れ
25
実朝公さねともの御墓のそばに蕎麦の花 ゆれる白妙悲運を包む
16
スタッフが小さく手を振り「またね」と言うわれもつられて手を振り照れる \ リハジム
14
われ植えし南瓜帝国小庭占め実りてほっくり妻の腕が鳴る
17
能登襲う地震豪雨も笑顔なる爺は嗚咽をぐっとこらえる
23
濁流が十五歳を呑み込みぬ瓦礫を探す爺たたく雨 \ 能登
20
「大の里」華々しき優勝で地獄の責め苦の能登の地ふるさと灯す
24
カメムシの大軍おしよせ泣く農家「二十世紀」も涙あふるる 
20
朝一にアゲハのみどり児つげの葉にときめき見ゆる陽炎のなか \ 羽化見逃して
18
通院の難きをま〜るくしてくれるあじさい褪せても無事帰る待つ
15
色褪せた紫陽花の花人知れず涙を流す望月の夜
21
透き通る月をのせたり手のひらに「まひろ」と見入る今宵名月 \ 光る君へ
17
一日ひとひだけ笑みのこぼれる桃色の芙蓉の花と背くらべする \ 敬老の日
19
ばあばあは杖つき坂を上り来る杖の音哀し旅立ちの日に
20