まんまるだんご
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抗がん剤治療とリハビリ七年目Utakataに救われ

きのう見た雪洞ぼんぼり灯すたんぽぽを窓開け見れば雨風に消え
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さよならを言わずに去った君なのに築いた信頼まことが深層に棲む
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真求め過激に走る君と会う信頼破りしらじらと朝 \ 学校封鎖未遂
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大腸を半分残し命あり治療長くも花を育てる
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工場の煙がもくもくその下で夜間高生が涙を燃やす \  高度経済成長のころ
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蜘蛛の巣が我が物顔の空家いえの夜 蛙の歌を蛍や聞かむ
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サーティワン踊る光に幼子は目の煌めきてとろ〜りとろける
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梅酒つけ落ちた砂糖に招かざる蟻ぞろぞろとうたげに集う
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シャッターの前にむらがるヒメジョオン雨の聞いてる蕎麦屋おとなく
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ふるさとのおすもうさんの西瓜食む こころにひびく大地讃頌
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梅雨入りの宣言の日に小望月清けきルナと夜遊びしてる
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あじさいのしずかにわらう庭にでてラジオ体操のんびりおどる
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夏日刺す背中を焦がす水田に草ぬく農夫水面の空の
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道端に花を見つけてうた詠めば目立たぬ花もいのちをうたう
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リハジムでティップトゥができるなりほらほらみてね千鳥のおどり
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冷や奴これさえあれば父の日も生姜とネギのせ夏日のビール
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紫陽花を活けてこどもを待つ部屋ではじけたのぞみ紫陽花おたふく笑う
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夏がくる山の花恋い高原にキスゲの海が空に波打つ
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鮎の香の跳ねる水面に夕陽映え釣果に躍る子と父の影 / 亡き父しのぶ
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小庭にも蝶きて翠に包まれる嬉し哀しを花とささやく
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リハビリの終わりにまたねの声かける 靴にリボンの爺さまにこり
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キラキラの「オールフォーワン」苦しくて飛び出た君は深層に棲む \ ガラスの学校
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窓開けば紅のダリアが躍り込むいつも傍にと変えぬ約束
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富士の嶺の八の字数本なみだ糸通院のあさ曇りの空に
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シャボン玉かぼちゃの赤ちゃん連れてった燕が空を切り裂いた日に
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ふるさとの蕗が一面庭おおう煮物になりて亡母と食べる
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残身の美を身に着けて空に向く花の日のあとオダマキ涼し
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歌人から短歌うたの雜誌を三十もビリ生徒には赤点恐怖 \ 井上烏有氏に感謝
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ヤマボウシ白雪の降る里に立つ托鉢僧を思い浮かべリ
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あなうれし赤ちゃんできたいちじくの米つぶほどの芽のふくらみて
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