tomatojapan
86
78
投稿数
815

気まぐれに アイコン変えて 新年度

紅白の祝いの梅が咲き残り彼岸此岸の人の行き交う
10
花持ちて春陽はるひのみちを行き行けば梅咲き残る今年の彼岸
17
Googleグーグルの時間旅行の懐かしき 幼き孫の上書きをする
15
とぼとぼと歩く母の背小さくて  すこやか祈る 春の風吹く
21
白寿なる耳遠き母と一語ずつ幼き日のことLINEで語る
16
今日もまた 踊り場のない階段で 踊り疲れて うずくまる君
14
ガチャ回すちひさき孫の手に見入り彼岸に思う親ガチャの縁
16
一口で飲み干すもよし 人生の飲み残しだし 終活なんて
15
高圧線が五線譜のごと切り分けてエレベーター塔は青空に立つ
17
居酒屋の話題にことかく暇のなし 病気・病院・惚け・薬・墓
10
「異国か」と見まごうばかりの物価高外面そとづら優し「円」の内面うちづら
9
二年ぶり会う友不意の老け顔にタイムラグにて「やあ」・「おう」・「しばらく」
15
さりとてと 苦しみぬけて 楽するは まだ機にあらず 次の花待つ/さ・く・ら・ま・つ
11
逝きし人の顔薄るるをことわりと知らば春陽はるひの我にやさしき
19
震災が人のこころを炙り出す 宴酣えんたけなわの選挙を踊る
8
いつのまに主語なき災禍の人々に及ばざりしか八十年は
18
「サクラサク」知らせの続く春の日の 朧の空はサヨナラの色
21
「思い出」のジャンルを軽く超えてくるフラッシュバックの哀しき凄み
16
腰痛の妻に付き添う通院の帰り付き添い交代になり
13
そちこちで鼻水啜る音のする京王線の電車は春へ
13
佐々木朗希ローキからザッピングにてトランプへ思いは揺れるわれ地球市民
14
春の歌を捻り損ねて日の暮れて寒の戻りの燗冷まし呑む
18
ボケてみる ツッコミ入れる オチつける こころの薄紙 一枚剥げる
17
孫たちの入学・進学重なって祝いの春は 老後の余震/物入りだとかで支出は先に
14
四年目の金魚すくすく育ちおり 祭りの夜の記憶の薄れ
18
君の短歌うたさえずるがごとやさしければ春ほころびてひよどりの舞う
18
飲みきれぬ水割りきみが手伝って もうほろ酔いの、まだ七時半
13
スイッチの(たていち)◯(まる)がわからない どっちがONなの どっちがOFFなの
9
足形に脱げたソックス いでよ、春 梅ほころんで 我ねころんで
16
「おきざり」を「おにぎり」と読み間違えて悲しみさえも可笑しみになり
14