tomatojapan
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気まぐれに アイコン変えて 新年度

孫たちの入学・進学重なって祝いの春は 老後の余震/物入りだとかで支出は先に
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四年目の金魚すくすく育ちおり 祭りの夜の記憶の薄れ
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君の短歌うたさえずるがごとやさしければ春ほころびてひよどりの舞う
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飲みきれぬ水割りきみが手伝って もうほろ酔いの、まだ七時半
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スイッチの(たていち)◯(まる)がわからない どっちがONなの どっちがOFFなの
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足形に脱げたソックス いでよ、春 梅ほころんで 我ねころんで
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「おきざり」を「おにぎり」と読み間違えて悲しみさえも可笑しみになり
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出会いとも別れとも見ゆ Y字路に ヒマラヤスギの木漏れ日 ゆらり
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「男はね照れがあるから言えない」を超えてみようか 古希も過ぎたし
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子の歳を数えてみればなるほどと孫遠ざかる日々が腑に落ち
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「老い」てふは嬉し哀しきアイテムか三十一さんじゅういち字間旅行じかんりょこう
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微睡まどろみの春めく光に誘われて外出てみれば頬に冬風
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AI の「楽しかったです」の回答にaiを感じているかも…わたし
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昭和てふ名残の朋の寄り添いし過ぎ(杉)たる日々の枝別る道/谷中のY字路に寄せて
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細き糸の紡ぎし春の絡まりて余寒に老夫婦ふたり熱茶を啜る
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寒空のオリオンが歌う静寂はふたりに注ぐシュプレヒコール
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通院の妻に付き添う待合を静かに包む時のにこごり
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通院の老夫婦ふたり愉しき語らいは子らの幼き日々の思い出
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おしんこの最後の一切れ譲り受け少し嬉しい老夫婦ふたりの夕餉
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手に入れし「ゆふすげ」の書影やさしくて棚のきざはしたか(貴)きに御座おわ
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いつになくKALDIカルディ混む日をいぶかれば「分からないわ」と妻のうそぶ明日はバレンタインデーです
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夕暮れにビーナスベルトを駆け上がり飛び石のごと蹴る小望月こもちづき
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マズローの四段階目の欲求を知ってか知らずか好々爺なるひと
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早咲きの桜の報せふたつみつ南町みなみちょうなる地名を添えて
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衣更着きぬさらぎ(如月)だのに一枚脱ぎすてて遊ぶ子らには春隣はるとなりらし
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十八年乗ったクラウン売却す 十八年の記憶を乗せて/思い出多き愛車とたった今、さよならしました
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冬の日の障子戸透けてやはらかなほのぼの明る六畳一間/だったよな…
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久々のラウンド半に微睡まどろみ帰路かえりじ 友の訃報が届く
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字余りも字足らずもなく三十一みそひとの心の隙間ピタッとはまり/滅多にないけど…
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あの頃の青いひかりを閉じ込めてひからずにいる 青いセロファン
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