虎杖麿
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老若の優先席を奪ひ合ふ浅ましき街杖引きて行く
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嗜みも顔の形も違へども八の字の眉兄(このかみ)に似る
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千首まで残り百首となる今日は「もみもみ」ならぬ境なるべし /青山田歩歩氏へ
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蛸壺の蛸のごとくに閉ぢこもり夏の月詠む人にかも似む /蛸壺やはかなき夢を~
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長崎の原爆の日にそぐはねど素直に嬉し今朝のおつうじ /八月九日
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犬の糞からびて白き坂道に杖突く老いの立ちて汗拭く
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哀しげな歌詞を欺く長調の調べ明るき「お千代さん」の歌 /2026/8/8NHKFM歌謡スクランブル
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長唄の『カレーライスの唄』と言ふゲテモノ吐きし貝の耳かな /2026年8月8日NHKFM杵屋佐喜『カレーライスの唄』
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繰り返すさざ波のやうに押し寄する目まひと吐き気 「笑いの日」にも
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「ハ(8)ハ(8)ハハ」の笑ひの日にも笑はれず差し込み堪ふ老いの太眉 /八月八日
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へんな人が へんな歌詠む へんな世と 紀貫之が 「序」を書き直す
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い寝て起き 起きてはい寝る 気怠さの 少し薄らぎ 原爆忌過ぐ
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扇形に開く花火に照らされて須臾のま見ゆる魞漁の杭 /2026/08/06琵琶湖花火大会
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いぎたなきわれを咎むる熊蝉の声高まりて卯の刻は過ぐ
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鞭のごと撓ひて折れし八代(やつしろ)の八十メートルの高き煙突 /日本製紙八代工場ランドマークの煙突崩壊
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拳銃を撃ちたきために撃ちにけむ刺股あれば叶ふ逮捕に /2026年8月4日河内長野警官発砲事件
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文字数の少なき和歌は「てにをは」の一字が時に優劣を分く
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白昼にカーテン閉めてあかりつけ奇人のごとし三伏の日々
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サバンナの獅子次々に息絶えし多摩動物園の九夏三伏 /3頭死亡3頭治療中
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指折りて歌を詠みにし憲吉の四方結界の歌は残りぬ /アララギ中村憲吉
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食ふべきか食はざるべきか柿ピーの小袋ひとつ哲学の道
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ティトゥアンゆアルへシラスへ行かむとし訪(と)ひしセウタに移民押し寄す ★2026/7/30 モロッコ不法移民6万人余セウタに殺到
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細くなり硬くなりにし血管が三伏の日に裂けて血を噴く
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おどまかんじん 水は天から 貰い水 うっ死んだば埋けろ 山に蝉鳴く /熊本地震被災者の苦境
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入浴も叶はず地震(なゐ)の災ひを大暑に忍ぶ火の国の人 /2026年8月3日熊本40.3℃
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逃れえぬわが苦しみのひとつにて採血針が手の甲を刺す
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鼻詰まる息苦しさは貧血か藺草の茣蓙にまたも寝転ぶ
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無策なる超円安が掠め取るいくばくもなき老いの入前(いりまへ) /為替介入
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老身の欲するままに二本目のガリガリ君のアイスキャンデー
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朗らかに「♪むすんでひらいて」遊ぶ手の指(および)のひとつ欠けてかなしき /欠指症
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