Utakata
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虎杖麿
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焼入をしたるレールが飴棒のごとくに曲がる酷暑来にけり
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絹の道辿りて遠きペルシャより琵琶の伝ふるオアシスの音
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駄歌駄句をおくびのごとく吐き出して毛虫のように嫌われている
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夏痩せに鰻勧むる家持(やかもち)の歌の縁(えにし)の土用近づく
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食べ時をせかすバナナの黒き斑(ふ)が増悪(ぞうあく)のごと広ごりてあり
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おかしくて腹をかかえる歌もある 悪くはないな 愚図の長生き
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おうちには エアコンないの おさなごが 無慈悲に 暴く家の懐
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溶け残る氷もともに飲み干して結露に濡れし底も拭ひぬ
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羽のある羊となりて天翔ける草原の夢ゲルの天窓
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涼し気なロンジーを履く人の居るロイヤルホスト猛暑日の昼
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眦の上の眉よりひと粒の汗零れむと白く光りぬ
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お心に違ふこととは知りながら身に引き寄せて読むお歌あり
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赤塩を胡瓜につけて幾本も食ひしバングラの夏し思ほゆ
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リストバンドの穴の位置見ていつしらに痩せしわが手に夢は残らず
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点滴の 前に訊くこと また増えぬ 大便混入 ありやなしやと /千葉県大便混入点滴事件
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パイン糖 口に含みて ブラックの コーヒーを 飲む夏も去ぬめり
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一枚の 布に書かれし スワヒリの 心は島の 風に揺らめく /ザンジバルのガンガ
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「うたかた」の 歌三日分 読み疲れ 寝転ぶわれを 亀虫が見る
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不覚にも 零れて落ちし キャンデーの 棒嘗めている 遠き日の夢
14
鬼灯の 色づき初めし 袋より 滴りにけり 夕立のあと
18
暑き日も 熱き茶を飲む 拘りは 幼き日より 今に変わらず
15
Trojanに 感染したと 恐喝の 陳腐なメール 三つ届きぬ
10
先制点 取られイライラ 爪を噛む デシャン監督 能の「痩男」 /W杯準決勝仏対西戦
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どこを削ぎ どこを残すか 決めかぬる 僅か十四 文字の下の句
13
難読の 漢字のような 凸凹の スキンヘッドが 光る窓際
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熱い湯も 冷たい水も うまいのに どうしてだろう まずいぬるま湯
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毛抜きさへ挟めぬほどの顎の毛が気になってゐる今朝の煩ひ
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七夕の短冊の文字のたて横に乱るるほどに手が震へけり
11
遠つ代の屯食(とんじき)食らふ白丁(はくてい)を身になぞらへて握る強飯
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キーパーの 前に零れし 一瞬を 逃さず蹴りぬ 滑り込みつつ /W杯イングランド対ノルウェー戦
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