Utakata
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沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう
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憧れた、苦しいほどに憧れた 貴女を想い諦める夏
12
君と僕キモチの狭間 揺れ動くメトロノームのような夏の夜
15
熱帯夜あと少しだけ明けないで 僕らが夢に、夢になるから
14
待ち合わせ場所に揺らいだシルエット影から伝わる君の温もり
15
君のため紡いだ想い風に乗せ届けてみよう ちょっと未来へ
14
止めどなく落ちる雫の音を聴く 空が一段近づいた音
16
短夜に長く短い夢を見た 昔の傷を抱きしめていた
12
窓の雨、加速度的に落ちてゆく 写る横顔滲ませながら
11
歩き出す 同じ夢へと君と僕 もどかしいほど小さな歩幅で
19
電球の灯に透けている口紅の咲いたグラスは君の手の中
12
窓際に「嘘」の鉢植え置き眺め散らない花の数を数える
14
いつからか錆びたレールを走らされ追い越してったあの頃の夢
18
傘の中駅までの道紫陽花を数えて歩く放課後の蒼
13
ペルセウスより旅をして辿りつく 君の住んでる星の降る街
13
今日の日の終わりの闇で目を閉じて貴女を探す瞼の裏から
15
生きるとは痛みを愛しく想うこと ほらもうちょっと、生きてみようか
19
風鈴に優しく添えた右の手を鳴らさぬようにそっと離した
22
玻璃
(
はり
)
吊るす君の背伸びが愛おしく僕は団扇で風を贈った
12
引潮や 蒼く染めらる夕凪に 君についての決心をする
22
ゆらめいて蛍は命を光らせる 短き 瞬き 煌き 消えゆき
15
近寄れば切りつけられる青芒 青の時代の君のようです
12
直接に繋がらずともその心つなげていたい
遠距離恋愛
(
ディスタンスラヴ
)
11
君が居ぬ夜更けの音はペアリングしそこなったイヤホンの音
12
大いなる河の始めの一滴はどこの誰だとせせらぎに問ふ
18
せせらぎに色を映した紺碧の空には昼のまだ白い月
13
まっさらな砂糖の山で梅ほどく 瓶へと初夏の香りを詰める
30
色固くその身を結ぶ青梅はやがて香るさ 僕だって、そう
11
野球部のシーブリーズに誘われて陽炎の中舞いし蝶々
9
また今日も君想いつつ滲んでく あぁ夜空には上限の月
10
真っ白になり切れてない似た者と 紋白蝶が僕へ降り立つ
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