Utakata
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沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう
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泥
(
なず
)
みゆく無花果色の夕の空ただそれだけの
十月
(
オクトーバー
)
のそら
4
トッピング長々伝え「それ2つ」何とかチーノを君と飲む午后
21
青々と杉玉下げて蔵の
前
(
さき
)
郷の秋はゆるり進みつ
5
何気ないロングシートも君となら向かいの窓はスクリーンだね
9
左から夕陽の差して僕ひとり渡り廊下で聴く吹奏楽
7
試験終え普段通りの午後が来るまだ脳みそに残る公式
9
食い意地が張っているのか満月を見て幸水梨思い出す僕
4
満月は黄色信号徐行してゆっくり眺める家路の砂利道
4
いつか来し岬に立ちて細波の音の中僕の吹くナラタージュ
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さらさらと稲穂の揺れる稲刈りは
黄玉
(
トパーズ
)
色の風畦をゆく
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ご先祖は今頃帰宅
渋滞
(
ラッシュ
)
かな天への上り線は混雑
3
桃を食む君の笑顔を想ひつつ僕は売り場をいったり来たり
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高温と長雨で庭のヒメジオン2乗2乗に増える梅雨かな
5
早上がりなのかな子らは晴れ間見て二人鞦韆漕ぐ夕泥み
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一瞬の雨の間に風運び来る祭囃子か高き笛の音
3
寝過ごしてふと目の覚めて外は暮れ放課後一人小さな旅かな
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梅仕事重石を重ね一休み梅雨前線の真下の私
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