沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう

「雪のため遅れや運休」路線図を赤や黄色に綴る寒波
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海沿いの駅に列車はドアを開け北風の吹くカデンツァを聴く
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黒コート足で鞄をはさんだら列車待つ人ペンギンになる
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クリスマスムードの街中仕上げには粉糖みたいに初雪が舞う
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月蝕のニュースを聞いて空仰ぐ赤黒き月蝕まれつつ
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バスの窓結露を拭ったてのひらの冷たさに冬の訪れ感じる
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渡り来る白鳥の群れV字型秋の空気を冬に裂きつつ
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これ全部饅頭にしたら何個分?椛の樹見て君は呟く
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生徒会選挙は部活の組織票文化部内閣発足したり
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秋祭りゆらりうかんだ露店の灯不要不急の待ちわびてた灯
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パソコンで仕事しようとソフトウェアパスワード忘れ振り出しの昼
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何億光年離れた星も見えるのに隣の君は遠く感じる
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「あったか~い」に紅葉をする自販機に僕は小さい秋を見つけた
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今夜も遠くピアノの音が聞こえ来てどこかで誰が想う小夜曲セレナーデ
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刻の間にひとりぼっちの影法師夕凪に消えかけの私
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ドライヤー君の黒髪毛先には微かな色抜け夏を揺曳トレース
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明日には貴女へ逢える金曜の待ち焦がれるよな立待月の夜
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生まれ日やまた一つ歳を累計す私の若さの減価償却
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平行やねじれではなく垂直に君を想って数学の授業
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紅々あかあかと桜紅葉に秋が夢見るかの如く春想ふかな
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なずみゆく無花果色の夕の空ただそれだけの十月オクトーバーのそら
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トッピング長々伝え「それ2つ」何とかチーノを君と飲む午后
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青々と杉玉下げて蔵のさき郷の秋はゆるり進みつ
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何気ないロングシートも君となら向かいの窓はスクリーンだね
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左から夕陽の差して僕ひとり渡り廊下で聴く吹奏楽
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試験終え普段通りの午後が来るまだ脳みそに残る公式
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食い意地が張っているのか満月を見て幸水梨思い出す僕
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満月は黄色信号徐行してゆっくり眺める家路の砂利道
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いつか来し岬に立ちて細波の音の中僕の吹くナラタージュ
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さらさらと稲穂の揺れる稲刈りは黄玉トパーズ色の風畦をゆく
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