沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう

何億光年離れた星も見えるのに隣の君は遠く感じる
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「あったか~い」に紅葉をする自販機に僕は小さい秋を見つけた
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今夜も遠くピアノの音が聞こえ来てどこかで誰が想う小夜曲セレナーデ
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刻の間にひとりぼっちの影法師夕凪に消えかけの私
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ドライヤー君の黒髪毛先には微かな色抜け夏を揺曳トレース
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明日には貴女へ逢える金曜の待ち焦がれるよな立待月の夜
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生まれ日やまた一つ歳を累計す私の若さの減価償却
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平行やねじれではなく垂直に君を想って数学の授業
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紅々あかあかと桜紅葉に秋が夢見るかの如く春想ふかな
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なずみゆく無花果色の夕の空ただそれだけの十月オクトーバーのそら
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トッピング長々伝え「それ2つ」何とかチーノを君と飲む午后
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青々と杉玉下げて蔵のさき郷の秋はゆるり進みつ
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何気ないロングシートも君となら向かいの窓はスクリーンだね
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左から夕陽の差して僕ひとり渡り廊下で聴く吹奏楽
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試験終え普段通りの午後が来るまだ脳みそに残る公式
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食い意地が張っているのか満月を見て幸水梨思い出す僕
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満月は黄色信号徐行してゆっくり眺める家路の砂利道
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いつか来し岬に立ちて細波の音の中僕の吹くナラタージュ
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さらさらと稲穂の揺れる稲刈りは黄玉トパーズ色の風畦をゆく
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ご先祖は今頃帰宅渋滞ラッシュかな天への上り線は混雑
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桃を食む君の笑顔を想ひつつ僕は売り場をいったり来たり
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高温と長雨で庭のヒメジオン2乗2乗に増える梅雨かな
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早上がりなのかな子らは晴れ間見て二人鞦韆漕ぐ夕泥み
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一瞬の雨の間に風運び来る祭囃子か高き笛の音
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寝過ごしてふと目の覚めて外は暮れ放課後一人小さな旅かな
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梅仕事重石を重ね一休み梅雨前線の真下の私
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