Utakata
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沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう
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この空の延長線上 梅雨と夏 争う音か
空
(
から
)
のかみなり
9
梅雨明けの間近の空の片隅に銀に輝く雲を見つけた
3
あと少し君と一緒にいたいからわざわざ歩く
遠回りの道
(
クリティカルパス
)
4
金曜の6時間目は上の空貴女に会いたい小さなこの
孤悲
(
こい
)
11
梅雨の午后古文の授業は教科書が海月の骨の御扇になる
9
ニュースには茶を摘む人ら
新緑
(
グリーン
)
をこぼさず集め
八十八夜
(
ファーストフラッシュ
)
6
誰も居ぬ茶畑にも日燦々と降り注ぐ昼八十八夜
8
桜散る一ひら二ひら舞い上がり枝、木、道、風、僕をピンクに
7
目の前の君が見えないほどに散る桜並木を並んで歩く
7
出来るなら奪いたかった東京へ旅立つ君の学割切符を
6
来年度使う重たい教科書の知識こぼさぬよう持ち帰る
17
桜の樹枝の先から色づいていつかの君の指先みたいに
11
沓の音、身体
投
(
う
)
つ音高らかに祈りは響く達陀の夜
7
白の梅かほりかすかに咲き誇る天満宮へ飛ばんとばかりに
13
うたた寝にもう会えぬ人現れて泪が軌跡を頬に図示する
21
ふたりぼっちグレープフルーツ色の空風は飯の匂いの街角
12
単語帳、ノートを見返す隣の子平和な戦士は入試へ向かう
8
二年前の僕もここへ立っていた入試の朝の三番ホームに
8
雪とけてできた大きな水たまり映る私と鳥と春風
20
簿記検定対策をする君からはカタカタカタカタ電卓の音
3
公式の海や古文の山々に彷徨いながらの期末考査
7
通学の無人の駅のベンチ脇誰かの作った雪だるま独り
8
ドスドスと屋根より落つる雪の音一歩一歩の春の足音
12
降り積もる搔きても搔きても消えぬ雪まだまだ春は遠いんだなぁ
3
暦では明日からはもう春なのに拒むがごとく
J
P
C
Z
(
日本海寒帯気団収束帯
)
3
一方向おんなじ未来を見つめつつ大きな海苔巻き黙食をする
7
風花は一瞬樹々に華を添え儚く散るも美しきかな
6
大寒の空に浮かびし立待月凍るが如し白きその色
6
足音も車の音も嫌なことも雪は覆って積もりゆくかな
6
大雪でバスが動かず独りきりただただ歩く金曜の夜
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