Utakata
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沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう
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桜の樹枝の先から色づいていつかの君の指先みたいに
12
沓の音、身体
投
(
う
)
つ音高らかに祈りは響く達陀の夜
8
白の梅かほりかすかに咲き誇る天満宮へ飛ばんとばかりに
14
うたた寝にもう会えぬ人現れて泪が軌跡を頬に図示する
22
ふたりぼっちグレープフルーツ色の空風は飯の匂いの街角
13
単語帳、ノートを見返す隣の子平和な戦士は入試へ向かう
8
二年前の僕もここへ立っていた入試の朝の三番ホームに
8
雪とけてできた大きな水たまり映る私と鳥と春風
23
簿記検定対策をする君からはカタカタカタカタ電卓の音
3
公式の海や古文の山々に彷徨いながらの期末考査
7
通学の無人の駅のベンチ脇誰かの作った雪だるま独り
8
ドスドスと屋根より落つる雪の音一歩一歩の春の足音
12
降り積もる搔きても搔きても消えぬ雪まだまだ春は遠いんだなぁ
3
暦では明日からはもう春なのに拒むがごとく
J
P
C
Z
(
日本海寒帯気団収束帯
)
3
一方向おんなじ未来を見つめつつ大きな海苔巻き黙食をする
7
風花は一瞬樹々に華を添え儚く散るも美しきかな
6
大寒の空に浮かびし立待月凍るが如し白きその色
6
足音も車の音も嫌なことも雪は覆って積もりゆくかな
6
大雪でバスが動かず独りきりただただ歩く金曜の夜
11
「雪のため遅れや運休」路線図を赤や黄色に綴る寒波
4
海沿いの駅に列車はドアを開け北風の吹くカデンツァを聴く
12
黒コート足で鞄をはさんだら列車待つ人ペンギンになる
5
クリスマスムードの街中仕上げには粉糖みたいに初雪が舞う
14
月蝕のニュースを聞いて空仰ぐ赤黒き月蝕まれつつ
4
バスの窓結露を拭った
掌
(
てのひら
)
の冷たさに冬の訪れ感じる
4
渡り来る白鳥の群れ
V
字型秋の空気を冬に裂きつつ
6
これ全部饅頭にしたら何個分?椛の樹見て君は呟く
4
生徒会選挙は部活の組織票文化部内閣発足したり
5
秋祭りゆらり
泛
(
うか
)
んだ露店の灯不要不急の待ちわびてた灯
7
パソコンで仕事しようとソフトウェアパスワード忘れ振り出しの昼
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