屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
https://rara.jp/zappai/

おふくろはボケでおやじは寝たきりで介護嫌った嫁は出ていき
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巣に帰るからすを見れば泣けてくるどこをねぐらの一本刀
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利根の月思い出さすな捨てた江戸提げた徳利に涙が落ちる
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薄情なあなたはきっと知らないわ涙で割ったお酒の味を
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見納めの月も泣いてる赤城山降りてどこ行く男忠治よ
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傷ついた女は一人あてもなく夜汽車に乗って北へ旅立つ
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今夜また浮かぶは誰の面影ぞ忘るるために飲む盃に
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いづくより花橘の匂ふらむ昔の袖を思ひ出でよと
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五月闇これもあやなし風吹けば空さへ匂ふ軒の橘
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うたた寝の夢に昔を見つるかな花橘の匂ふ窓辺に
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気張っても短歌が出ない大変だウンコが出ないよりも苦しい
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郭公ほととぎす卯月の花の雪山にいまだふるさぬ声になくなり
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世の憂きに入らむと思ふ深山より泣きても出づる郭公ほととぎすかな
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予報士が来るなら行こうアウトドア降ったらもちろん皆でボコボコ
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弁護士と医者の資格を持ってたらできるねどんな悪いことでも
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時知らぬ高嶺の雪を移してや富士の裾野に咲ける卯の花
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日の光楓若葉に照り映えて木の下陰も闇なかりけり
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夏草よ茂らば茂れかりにだに人は訪ひかど閉づるまで
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風冴ゆる氷室の山の卯の花を夏にも消えぬ雪かとぞ見る
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慰めむ心も知らず更級に世を卯の花の月夜眺めて
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竜田川岸辺に咲ける卯の花を寄せて返らぬ波かとぞ見る
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夏山の川の緑に袖ぢてむすべば乱る底の白雲
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風吹けば卯の花垣に波立ちて零るる露の玉川の里
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卯の花の雪踏み分けて入りし人の噂聞かせよ山郭公やまほととぎす
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ひさかたの月は昇らぬ夕暮の木の下闇を照らす卯の花
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脱ぎ替ふる習ひも断ちし墨染の袖に風待つ夏は来にけり
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裁ち替へて今日より蝉の羽衣に風待ちわぶる夏は来にけり
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まがひつる花散り果てし夏山の緑に染まぬ峰の白雲
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尋ねつる青葉の山の遅桜散るを惜しみと鴬の鳴く
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緑濃き木に干しかくる白妙のころも夏なる天の香具山
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