屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
https://rara.jp/zappai/

いざ訪はむ志賀の都は年経れど荒れしも知らず咲ける花園
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咲けば散る桜はいかに思ふらむ醜く老いて残るこの身を
14
花散らば何に心を慰めむわれをも共に誘へ山風
10
行く末は道分かぬまで散る花の雪踏みなづむ志賀の山越え
9
このころは行き交ふ人の衣手に都はなべて花の香ぞする
10
吉野山霞の奥に尋ねばやまだ見ぬ遠き峰の桜を
9
わが園に来鳴きしことを忘れずは花の宿貸せ深山鴬
7
咲き散るも一夜の夢の間なりけり覚むれば花や峰の白雲
7
今年また老い木の桜咲きにけりわが身の春は何か帰らぬ
10
吉野山嶺の桜の散るときは谷の朽ち木に花咲きにけり
7
散らぬ間に繰り返し見む桜花む春を待つ身にしあらねば
8
桜咲く山路の風を恨むまじ散らずはやがて出でず朽ちまし (「やがて」は「そのまま」の意味
7
筏師は霞のみをや下すらむ高嶺の花の散るを受けつつ
8
すめろぎの御代栄えむと咲き出づる花の都の靖国の宮
4
今年また桜は咲けど共に見し人のまだ世にあるは幾人いくたり
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桜咲く峰に分かるる横雲の光いや増す曙の空
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雪洞ぼんぼりの列一斉に灯を入れて開花間近き公園の冷え
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世も末じゃ釣られるはずのワカサギが世をうろついて人を釣るとは
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ワカサギのタネは尽きまじ平成の二条派の次令和京極派
4
東風こちかぜたてがみ揺れて三島江の葦の若葉をあさる春駒
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まだき咲く花もありやと待ちかねて訪ねぞ来つる峰の白雲
6
花の上に涙を露と残し置きて霞の奥に消ゆるかりがね
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散りかかる梅を浮かべて盃を重ぬる今日は暮れずもあらなむ
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訪ふ宿としるしの杉も分かぬかな霞の奥の三輪の山本
5
梅の花折らばや折らむなかなかに四方に匂へる春の夜の闇
8
春の野に雲居に上がる夕ひばり霞を分けて声ぞ落ち来る
8
殺人のニュースのたびに「ヘタクソ」と腹で呟く俺異常かな?
4
任せとけ俺はプロだぞ誰一人生きちゃいないさ俺に撃たれて
7
幾春か初瀬の里に過ぎぬらむ古木の梅はまだ匂ひけり
7
忘られしかどにも梅は咲きにけり花をあるじと訪ふ人もがな
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