屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。

幾春か初瀬の里に過ぎぬらむ古木の梅はまだ匂ひけり
7
忘られしかどにも梅は咲きにけり花をあるじと訪ふ人もがな
8
春の日に沖つ潮合ひを見渡せば霞の裾を洗ふ白波
5
終日ひもすがら垂る釣り糸と見ゆるかな長閑のどけき春の岸の小柳をやなぎ
9
鴬に宿を任せて立ち出でむ盛の梅を人ははねば
7
幸せは孫をお菓子と小遣いで仕込んで嫁に歯向かわすとき
10
そのかみはいかに照りけむ梅が香に霞む浪速の春の月影
4
背に負ひて山路を下る里人の柴木に挿せる梅の一枝
11
霞むにも名残ぞ惜しきたち出づる都の空の有明の月
5
東風こち吹けば御牧の駒ぞいばゆなる美豆みづの入江の水温むころ
4
裁ち縫はぬ天津羽衣干せりやと雲居に見えて霞む香具山
6
つれなくも都を隠す霞かな行く末遠き旅の始めに
6
ほのぼのと明くる麓に浪見えて霞ぞ越ゆる末の松山
4
葛城かづらきや久米の岩橋絶えぬれど春は霞ぞ立ち渡りける
5
梅香る高津の宮に旅寝してなにはのことを夢に見るかな
8
尋ねつる宿をこことや知らすらむ竹の奥なる鴬の声
10
春日なる三笠の山の鴬はいづくをさして鳴きわたるらむ
9
鴬の春のしるしと鳴く門は三輪の山辺の過ぎかりけり
9
鴬は都に出でてあるじなき谷の古巣にてる梅が香
10
行く末は雲と一つの沖つ波翼に掛けて帰るかりがね
9
旅の空羨ましくも帰るなり雲居のよそに聞きしかりがね
9
梅が香に身を元の身と思ひ寝の夢も昔の春の夜の月
8
独りる軒端の梅に風過ぎて枕も香る夜半よはの月影
11
たかむらに独り奏づる琴の音と嘯く声は月のみぞ聞く
5
菜畑の向こうに月が霞む宵童女に化けて出でよ仔狐
8
山城の美豆みづの入江に影見えて真菰まこもの若葉あさる春駒
6
梓弓春は山路ぞ急がれぬ花の色々鳥の声々
8
春雨の雫も匂ふ軒の梅は誰が袖触りし形見なるらむ
7
木伝こづたへば羽風はかぜに散れる梅が香を声に移して鴬の鳴く
8
雪解けをまつの木の間に見下ろせば霞の底や都なるらむ
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