Utakata
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屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
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夏山の川の緑に袖
濡
(
ひ
)
ぢて
掬
(
むす
)
べば乱る底の白雲
11
風吹けば卯の花垣に波立ちて零るる露の玉川の里
8
卯の花の雪踏み分けて入りし人の噂聞かせよ
山郭公
(
やまほととぎす
)
7
ひさかたの月は昇らぬ夕闇の木の下陰を照らす卯の花
8
脱ぎ替ふる習ひも断ちし墨染の袖に風待つ夏は来にけり
9
裁ち替へて今日より蝉の羽衣に風待ちわぶる夏は来にけり
10
紛
(
まが
)
ひつる花散り果てし夏山の緑に染まぬ峰の白雲
9
尋ねつる青葉の山の遅桜散るを惜しみと鴬の鳴く
7
緑濃き木に干しかくる白妙のころも夏なる天の香具山
6
夏来ぬと霞の衣たちかへて山はひとへに緑なりけり
7
飲みすぎて頭卯月の花の垣今日より酒を隔てよと説く
10
風吹けば空に浪立つ藤の花返らぬ春の
余波
(
なごり
)
なりけり
10
唐錦竜田の山の夏衣色はひとへに緑なりけり
10
紫の滝かと見えて川の面に咲きかかりたる岸の藤浪
13
奥山の
岩垣躑躅
(
いはがきつつじ
)
何しかも知れぬ思
ひ
(
火
)
の色に咲くらむ
6
高砂の松もあはれと思へかし友に遅れて老ゆるこの身を
10
裏飯屋昼に行ったら廃屋に欠けた茶碗と錆びた鍋釜
7
野晒しの溜まった水に雲映る秋は芒が穂を出す眼窩
6
骸骨が踊るよ踊るよ廃屋の破れ窓から差し込む月に
6
自供する罪がないのが残念に思えるような断崖絶壁
7
次々と顔からマスク外されて再び街にブスがあふれる
5
願はくは井手の
蛙
(
かはづ
)
に身をなして山吹の花散るまでも見む
12
款冬
(
やまぶき
)
や影映すらむ汲みに行く道は知られぬ山の清水に
8
杜若
(
かきつばた
)
都は遠く隔つれど夢路に渡せ八橋の里
8
散り積みし八重の桜のあともなし奈良の
礎
(
いしずゑ
)
春雨ぞ打つ
14
肉に箸付けられないよ闇鍋に呼ばれないのに佐川君来て
9
唐
(
もろこし
)
へ船路はるかに霞むめり松浦の浜の春の曙
7
志賀の山
空
(
むな
)
しき枝に雲過ぎて花園いづら夢のふる里
6
蛙
(
かはづ
)
鳴く井手の玉川来てみれば散らで映ろふ岸の山吹
10
散りぬれば花に厭ひし松風とともに深山にすむ心かな
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