屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
https://rara.jp/zappai/

押し入れに詰めたパンツのえたのを取り出してまた穿く梅雨の頃
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「勝手に来てお茶飲んでるのぬらりひょん?」「いいえ隣のボケ爺さんです」
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回らない寿司屋でウニ巻き頼んだらキュウリがなくて損した気分
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いやらしい夢を見てたら出た字幕「ここから先は有料です」と
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これ全部読んだら人生もう少し良くなったかなと眺める本棚
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お釈迦様退屈しのぎに蜘蛛の糸で釣っては落とし落としては釣り
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幹部の座夢みて耐えた塀の中満期で出たら組は解散
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組長の出所祝いに絶対に出しちゃいけないものはケーキだ
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山賤やまがつの垣根に咲ける卯の花をち縫はぬきぬさらすかと見る
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海賊が宝隠した洞窟の地図手に入れた出資しないか
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誘ったら断る若者多いなあ麻雀よりもゲームがしたいと
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花の香の沁みし衣をたち替へて風をひとへに今朝よりぞ待つ
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願わくはこの雨粒に身を変えて恋しい人の窓に沿いたい
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職人の誇りがすごく傷ついた痴漢冤罪かけられた掏摸すり
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撮影の後で握手もしてくれてとても気さくな心霊でした
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雨の日にビルの窓から見下ろせば青赤白と傘の花咲く
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「お祖父ちゃん目もはずせる?」と真顔で問う入れ歯はずして洗ってた時
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「ただいま」とドアを明ければ「おかえり」と言いたい顔で猫が迎える
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山吹の花の盛りに来てみればかはづ鳴くなり井手の玉川
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かはづ鳴く吉野の川に影見えて岸の山吹今や咲くらむ
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散り果つる花のゆくへは知らねどもはるかに送れ峰の松風
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花散れば青葉の枝に紛れ入りて今は友ある高砂の松
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東路あづまぢへ春の過ぎゆく足跡あとなれや青葉に辿る志賀の山越
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かれもやと尋ねか行かむ吉野山桜の遠方をちの嶺の白雲
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首吊った前住人が毎夜来てとても楽しい格安物件
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死んだこと一度もないから心配だうまくやれるか笑われないかと
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ポストには入らないので窓口に持ってきましたこの赤ん坊
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地下室に監禁したこと思い出しこわごわけて見る3年後
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音立ててカエル飛び込む池端に宗匠頭巾の人影を見た
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ご主人で不満だったら試しなさい太くて硬い俺の逸物
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