Utakata
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屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
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この会社ブラックですかと面接で聞くバカがいた今日もサビ残
10
月冴ゆる都の空に響くなり家々なべて衣打つ声
7
寝てるとき心臓に杭打ってみろそれで死んだらやつはドラキュラ
10
母さんに感謝してたよ床下で父さんの骨見つかるまでは
10
鳰
(
にほ
)
の海や釣り舟送る浦風に尾花の浪を渡る帆の影
10
地図見てた女房がすごく嬉しげに「姨捨山ってほんとにあるのね」
15
雲消えて月の清見ヶ関風に岩超す浪の暁の声
6
都にて見ても心は慰まずいかに照るらむ更科の月
12
深草の里の尾花は招けども訪はれぬ野辺に鶉鳴くなり
10
あなたはね知りすぎたのよごめんなさい出てあげるわよお葬式には
10
いかでまた問ふ人もがな津の国の生田の森に秋更けにけり
13
覗き込む婆さんの顔付いてくる疾走中の夜の高速
10
今頃はわたしはきっとセレブ妻あの日こいつに出会わなければ
11
パパとママどこ行っちゃうの置いてっちゃイヤ!と裸の父の背に乗る
5
この次はヘマしないぞと誓いつつ見上げて暮らす刑務所の塀
8
この値では住めない物件。首吊った前住人に日々感謝です
6
4
階でエレベーターを降りた
婆
(
ばば
)
5
階で待ってて俺を見てニタリ
10
ふと窓を見れば外から覗き込む逆さの顔と目が合う
6
階
9
ゆっくりと最後の一本吸い終えて樹海をさらに奥へ踏み入る
10
原住民ギャラの交渉終えてから石器時代の衣装を
纏
(
まと
)
う
12
「パパはあのお空の星になったのよ」「「そんなの嘘だ!ママがホシだよ
!!
」
10
二つ目になれないからと落語家の道諦める一つ目小僧
9
あの
婆
(
ばば
)
に雀が宝やるもんか小さいほうも中はお化けさ
11
改宗した人喰い部族食前の祈りしてから宣教師を食う
7
約束が違うぜ兄貴山分けと言ったじゃないかなぜチャカ向ける
10
氷雨にも消えぬ鬼火に導かれ奥へ奥へと樹海を彷徨う
8
ゴミ袋提げて電車に乗ってからカバンを捨てたことに気がつく
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幸せは亭主にゴミを提げさせて見送ってから二度寝するとき
12
楽しみは孫をお菓子と小遣いで仕込んで嫁に歯向かわすこと
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「お隣の犬が消えたのママ知ってる?」「焼き肉早く食べちゃいなさい」
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