屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。
本拠https://rara.jp/zappai/
Xノートhttps://note.com/neutilo

朝露のおきていなばのおとづれもまつにつれなき夕暮れの空
7
風の音も秋ぞと告ぐる蓬生よもぎふに露重げなる松虫の声
6
夜もすがら裾野に鳴きし小牡鹿さをしかの山に分け入る暁の声
6
秋とだに分かぬ常磐ときはの山人もながめわぶらむ夕暮れの空
3
棚田しづもや袖に宿すらむ姨捨山の秋の月影
5
菅原や伏見の里に月冴えて生駒のたけを渡るかりがね
6
あしびきの山の嵐の寒けきにふんどし欲しと松茸の泣く
3
たかむらに遊ぶ雀の影長し嵯峨野の奥の秋の夕風
7
あのオバチャン只者じゃないレジ打ちがメチャクチャ速いスーパーウーマン
8
鳥肌が立つほどのいい女でもミニスカートが穿けず恨めし
1
一日の勤めを終えた外科医たち談笑しながらモツ鍋つつく
5
旅人の急ぐ野道に日は暮れて尾花が末に月の掛かれる
8
手を挙げて招く芒の影よりも男心をそそる白はぎ
5
日差しには夏を残して吹く風の音に驚く秋は来にけり
3
秋風に誘はれ出でて鳴く虫の声聞くよはぞ野辺は寂しき
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秋の野に萩の錦をきてみれば霧のたつさへ惜しまるるかな
4
風渡る真葛原まくずがはらに立つ鹿の怨み果てたる暁の声
4
化物の親玉として担がれてみこし入道増長しすぎ
4
風やあらぬ秋や昔と見上ぐればわが身一つに曇る月影
3
雄々しくも立てる狸の玉敷の都やいづこ信楽の里
6
夏衣まだ脱ぎ替へぬうたた寝の夢驚かす荻の上風
7
草葉にはまだ置きあへぬ白露の袖に宿借る秋は来にけり
5
女郎花あだには折らじ白露に濡れなむ袖を人もこそ問へ
4
夕暮れの嵯峨野に立てる女郎花いつと契りて誰を待つらむ
7
吹き変はる音にぞそれと知られける青葉の末を渡る秋風
2
七夕のかへる衣に風吹けばいとどうらみやたち増さるらむ
2
七夕の別れの涙落ち添ひて露置き増さる軒の梶の葉
5
名にし負はば八塩の岡の薄紅葉時雨の染めむ末ぞゆかしき
4
消えた犬必死で探す隣人にさすがに言えない美味かったとは
4
昼と夜上と下とで交代で鳴き継ぐんだね蝉と松虫
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