屁の河童
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ただの河童です。異端短歌、略して「異短」です。「お前まだいたんか」と言われたいです。
短歌は楽しき玩具。

化物の親玉として担がれてみこし入道増長しすぎ
4
風やあらぬ秋や昔と見上ぐればわが身一つに曇る月影
3
小倉山霧立ちこむる夕暮れに道踏み惑ひ鹿ぞ鳴くなる
3
雄々しくも立てる狸の玉敷の都やいづこ信楽の里
6
夏衣まだ脱ぎ替へぬうたた寝の夢驚かす荻の上風
7
草葉にはまだ置きあへぬ白露の袖に宿借る秋は来にけり
5
女郎花あだには折らじ白露に濡れなむ袖を人もこそ問へ
5
夕暮れの嵯峨野に立てる女郎花いつと契りて誰を待つらむ
8
吹き変はる音にぞそれと知られける青葉の末を渡る秋風
3
七夕のかへる衣に風吹けばいとどうらみやたち増さるらむ
2
七夕の別れの涙落ち添ひて露置き増さる軒の梶の葉
5
名にし負はば八塩の岡の薄紅葉時雨の染めむ末ぞゆかしき
4
消えた犬必死で探す隣人にさすがに言えない美味かったとは
4
昼と夜上と下とで交代で鳴き継ぐんだね蝉と松虫
11
俺様が振った女が幸せになってるなんて赦せないなあ
3
ひさかたの天の河原にを待つと出で立つ裾を波な濡らしそ
5
鬼どもはお盆休みに大釜で沸かした風呂で「ゴクラクゴクラク…」
11
たまに来る娑婆の暑さに耐えかねて慣れた地獄の釜が恋しい
6
祈りつる夏ははつせの山おろしにあはれつきせぬ暁の鐘
3
大阪のオバチャンめっちゃええ人や飴ちゃんくれるしすぐに触るし
6
ソープ嬢が教えてくれた威張ってる人ほどアレは小さいのよと
7
置き急ぐ露を尋ねて初秋の風は袖にぞ先づ吹きにける
2
涼しさはまだおとづれぬ日盛りにひとり秋なる荻の上風
7
吹き変はる風にて空に知らるるは天の戸よりや秋は来ぬらむ
4
袂にや秋はたつらむ夏衣ひとへに涼し夜はの初風
2
明けなくに関吹き越ゆる初風に秋を知るらむ須磨の浦人
2
須磨の浦松風寂し関守のうち寝るひまに秋や越ゆらむ
4
何となく袖ぞ露けき唐衣龍田の里の秋の初風
3
かりにだに来ずや鶉はなかねども夏こそ繁れ深草の里
3
夏の日のかたぶをちの森陰に西こそ秋とひぐらしの声
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