Utakata
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鈴猫
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吐く息が凍るほどには寒いので貴方に「好き」と言っておきます。
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恋の色は数多あると言うけれどこれは紅く燃えた恋です
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どうしてか、泣きながら「好き」と言うのです。許しましょうか?許せましょうか。
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「帰ろうか」 何処へ?と聞けぬ僕らにも きっとあるのだ、帰る何かが
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寒さってこんなに痛いの? 知らなくて 君を ただ 抱きしめたくなって
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普通から解き放たれて今日もまた揺り戻されるあんな普通に
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散ったままあの屋上で朽ちていく 風にも舞わぬこの片想い
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お財布で眠ったままの中吉がどこへも行けぬ私の暮らし
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神様は見て見ぬふりが上手いので、私も息をするように詠めます。
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御籤の言葉などすぐ記憶から落ちてくくせに、なんだ、一憂
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ひたひたと注ぎすぎてもいいのです 溺れさせる力はないので
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詠みきれぬ感情全て背負わせた「猫」が遠くでにゃあとないたか
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傍にいる、ような気がする僕たちは光の海で繋がっている
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猫のよう、猫のようだと繰り返し 言い聞かせては泣かずに歩く
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どうしても暖まらない部屋の角 私もそこで生きていけたら
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この雪が溶けだすまでは君のこと失わなくていいと言っても
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眠れなくなったと笑う唇が零す言葉で温度を計る
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こんにちは、お久しぶりです、そうですね、思ったよりは寒くないです
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ひんやりと俯く身体 その上を赤と緑に光って泳ぐ
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この言葉 舐めると少し甘いでしょう? だって優しさとは違うもの
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あの日から忘れられなくなりました 鬱を漢字で書けます、私
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君がまた明日も歩いてゆくために僕はここでお茶を淹れるよ
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夕暮れを待たずに光る星が今君の名前を呼んでいたから
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迫りくる夕日が僕の背を押した、「そろそろ歩き疲れたでしょう?」
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サイレンに吸い寄せられた向こう側 ぱしゃりと響く画面が怖い
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淹れすぎた珈琲みたいなものでしょう?その苦しいの、ちょっとちょうだい?
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「寒いから、」「もう冬だから、」 ほんとだね 言い訳をして君と眠ろう
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あぁダメだ 寂しい音が響いてる 僕の中だけ 僕の中だけ
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少しだけ赤く腫れてる注射痕 君には教えないはずだった
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「当たり前」 そんなものなどなかったね 早く戻ってこいよ、日常
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