鈴猫
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投稿数
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引き出しをがたりと開けて継ぎ接ぎの歌作ってはそっと仕舞った
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「寒いね」を共有できた それだけで 寒くなくなる魔法にかかる
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寂しさは蒼く燃えると聞きました 私は蒼く光っていますか
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まだここに炎が点る場所があり 揺らめいている夜の悲しみ
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もう誰も住まない部屋の片隅で役目を演じ続けるルンバ
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「濡れる」という言葉が含む水分を数字で見たいと感じる夜中
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手を伸ばす私なんか見えていない君が一口桃を齧った
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美しくあるだけでは伝わらない 今夜は星がよく見えますね
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呼んでいる声も紛れるこの場所で詠んでいるのだ、君への好きを
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レポート課題:寒さと人恋しさの関係性を1500字で
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君のこと抱きしめたいと言う腕が彷徨い疲れ「好きだ」と打った
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血の色が赤でも愛してくれますか?瞳と髪は黒なのですが
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君のこと知らないけれど知っている 幸せでいてほしいと思う
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午前9時 踏まれて溶けた雪色のニットを纏う私の身体
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ぼくの辞書 夕日に近いあのページ きみの名前が載っているんだ
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靴下と同じところに干していたあの日の夢はまだ濡れている
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お風呂場にぶちまけたこの星たちはもう宇宙には帰ってくれない
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「好きです」とあなたにぶつけられなくて「夜は眠れてますか」と聞いた
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吐く息が凍るほどには寒いので貴方に「好き」と言っておきます。
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恋の色は数多あると言うけれどこれは紅く燃えた恋です
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どうしてか、泣きながら「好き」と言うのです。許しましょうか?許せましょうか。
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「帰ろうか」 何処へ?と聞けぬ僕らにも きっとあるのだ、帰る何かが
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寒さってこんなに痛いの? 知らなくて 君を ただ 抱きしめたくなって
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普通から解き放たれて今日もまた揺り戻されるあんな普通に
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散ったままあの屋上で朽ちていく 風にも舞わぬこの片想い
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お財布で眠ったままの中吉がどこへも行けぬ私の暮らし
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神様は見て見ぬふりが上手いので、私も息をするように詠めます。
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御籤の言葉などすぐ記憶から落ちてくくせに、なんだ、一憂
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ひたひたと注ぎすぎてもいいのです 溺れさせる力はないので
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詠みきれぬ感情全て背負わせた「猫」が遠くでにゃあとないたか
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