Utakata
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鈴猫
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「さよなら」と麦わら帽子風に揺れ そうか君が
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月だったか
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ごめんねと排水口に流してく 嫉妬それからあの頃の恋
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「すみません、夏の匂い置いてますか?」「ラムネの瓶に詰めてあります」
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眠たくて濃いめに淹れたコーヒーの黒さみたいな私の愛情
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結局は「どんな君でも好きですよ」どうかお願い伝わっていて
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終わりかけの夏にやっと手を伸ばしもうすぐ届く
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の君
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「笑い方、わからないの」と笑ってた 大丈夫だよ、そのままでいて
1
理由
(
わけ
)
もなく信じていたの君の裸のままの左手薬指
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サヨナラの音を聞きたくないですか?ほらあそこにも落ちていますよ
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くるくると時計の針が
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時で出逢ってしまう前におやすみ
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ゆるゆるとクリームソーダ飲む君の口許をこっそり見つめてた
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好きでしょう?分かったような顔をして笑うあなたがほんとに好きよ
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もさもさと音がしそうにパンを食む君にあげたいこの卵焼き
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西口で待ってたなんて知らなくて人混みをただよう東口
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眼差しの温度を測り記録して 君に提出してあげようか
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沈んでく とろりと黒い感情に
他人
(
ひと
)
は嫉妬と名前をつけた
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「賞味期限、今日までだった」と手に取った牛乳みたいな私の暮らし
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この夏の思い出が欲しかったんだ 言い訳ばかりの線香花火
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ガチャガチャと偶然を楽しんでいるつもりだったね君も私も
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この指に露店で買った百円の指輪でもはめて好きだと言って
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繋がりたい 繋がれなくて君だけが夏の星座の一部になった
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君が今朝食べたいと言った肉じゃがが音もなくただ冷たくなって
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「もういいよ」、そう言って突き放してよ、泣きたい秋が来てしまうから
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この空があんまり青く染みるので飛び込みたかった冷たい線路
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悲しみは触れたところから溶けていく ほんとかどうか確かめさせて?
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もういいよ、全て暑さのせいにして 明日にはキスの意味も忘れて
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少しだけ教えてください君のこと 「好き」はいくらで買い取れますか
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この距離もいつか日常に溶けてゆく ガラス越しでも愛は語れる?
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差し伸べた手は柔らかく熱かった 「優しさは強さ」と君は言う
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夏色の達成感を抱きしめて涼しい部屋で今日は眠って
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