Utakata
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鈴猫
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表面をなぞって分かった気になって音も立てずに芯から朽ちる
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「ごめんね」が夕方の風に溶けていく 涙まで連れていかないで
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「好きです」はノイズ混じりで届かない 「悪くないよ」に殴られるだけ
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この曲もあのお菓子もその映画も全部君を思い出す罠だ
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日曜日 涼しい部屋の昼下がり うとうとしてる私は子猫
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かき氷に差し込む匙を持つ手が緊張していた君を想う
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「好き」だけじゃ三十一文字は長すぎてあれこれ色を重ねてしまう
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今日からの君が織り成す物語 積ん読のまま死んでゆくのね
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泣かないで?少し塩分過多なので飲み干しちゃうと怒られるんだ
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振り返り また前を向き 思い出す ずっと生きてて私のここに
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覚えてる?忘れたのならそれでいい、今日で捨てるわ 君も本音も
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君となら全てどうでもよかったの 今日のご飯も借りる映画も
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この「好き」は永久保証じゃなかったね、世間知らずだったの私
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「すき」がただ「こえ」にならずに「ねつ」を持つ 同じ分だけ離れていても
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君のこと知らない街で生きていく 「聞いて、ここには海がないのよ」
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もこもこと積乱雲を乗り越えて夏の向こうに行ける気がした
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誕生日、血液型も教えてね 占ったりはしたくないけど
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君のこと知ったかぶりをしていたの 顔と名前と生年月日
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ひらひらと金魚が踊るこの空もいつか日常になるのですか?
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「私には何もない」って言いながら膝を抱えて飲む発泡酒
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君の肩に触れる二人乗りさえも夢のまた夢この
国
(
セカイ
)
では
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私が私を愛せないから君も私を愛せない、知ってた
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外へ出よ
!
僕を責め立てる蝉の声 知らない夏が始まっていた
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君のため焼いたケーキも変わらずに君が知らないところで死んだ
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「愛してよ」「相手を間違えています」「分かっているわ、練習台よ」
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この匂い纏う女のあざとさを教えられたからもう逃げない
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心の摩擦係数の求め方?見えないものの話をしよう
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どこにでもある名字だと言い聞かせ 君を感じるためのコンビニ
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この想い海へ投げるには汚くて そっと砂に混ぜておきました
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ぬるま湯に浸かっているのだろうかとぬるいシャワーを浴びてつぶやく
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