鈴猫
0
13
投稿数
606
この街で生きてみたくて諦めた花の香りも忘れそうです
0
夕焼けが優しく僕を貫いて 今日から君を見つめられない
0
雨の中傘をささずに歩いても可哀想には見えない私
0
君の名は七文字だから適切で 八文字ならば適切でない
3
「八月は何処へ行ったの?」「海ですか?藻屑となって消えたのですか?」
1
「長月は何が長いの?」と聞く君の瞳がとても好きだったので
2
「さよなら」と麦わら帽子風に揺れ そうか君が8月だったか
4
ごめんねと排水口に流してく 嫉妬それからあの頃の恋
0
「すみません、夏の匂い置いてますか?」「ラムネの瓶に詰めてあります」
1
眠たくて濃いめに淹れたコーヒーの黒さみたいな私の愛情
2
結局は「どんな君でも好きですよ」どうかお願い伝わっていて
0
終わりかけの夏にやっと手を伸ばしもうすぐ届く17の君
2
「笑い方、わからないの」と笑ってた 大丈夫だよ、そのままでいて
1
理由わけもなく信じていたの君の裸のままの左手薬指
2
サヨナラの音を聞きたくないですか?ほらあそこにも落ちていますよ
1
くるくると時計の針が12時で出逢ってしまう前におやすみ
1
ゆるゆるとクリームソーダ飲む君の口許をこっそり見つめてた
0
好きでしょう?分かったような顔をして笑うあなたがほんとに好きよ
1
もさもさと音がしそうにパンを食む君にあげたいこの卵焼き
3
西口で待ってたなんて知らなくて人混みをただよう東口
2
眼差しの温度を測り記録して 君に提出してあげようか
4
沈んでく とろりと黒い感情に他人ひとは嫉妬と名前をつけた
1
「賞味期限、今日までだった」と手に取った牛乳みたいな私の暮らし
7
この夏の思い出が欲しかったんだ 言い訳ばかりの線香花火
2
ガチャガチャと偶然を楽しんでいるつもりだったね君も私も
2
この指に露店で買った百円の指輪でもはめて好きだと言って
1
繋がりたい 繋がれなくて君だけが夏の星座の一部になった
1
君が今朝食べたいと言った肉じゃがが音もなくただ冷たくなって
1
「もういいよ」、そう言って突き放してよ、泣きたい秋が来てしまうから
2
この空があんまり青く染みるので飛び込みたかった冷たい線路
1