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感覚・空想・生活

あまさかるひな暮れ六つの水鏡ひとり農夫は雲にたゆたう
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こもる街かど知らぬ遠山の新芽に雨はやはらかに降り
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歯の痛いナイチンゲールのごとくけ、悪意・嘲笑・快楽の聲
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百日のメメントモリは今醒めてcapitalismのお出ましとなる
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なんらかのバッドエンドのような日もむなしく海はかがやいている
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いま君は波の下からぼくを射て天のひかりは全てたましひ
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蕃殖はんしょくするかんむりしとど世を濡らし都市の空気を(不)自由にする
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蜜月のつごもりがたはささめ雪かたみに苦い夢を見ている
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身心をふかく湯殿に焼きいれて麻留田マルテンサイトの剛直を得る
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鬧熱どうねつをひとつまたいだ暗がりに三毛と二人で煙草きゃめるをふかす
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曉にうたよみ果つるあだし野は無明長夜の隧道とんねるのさき
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咳ひとつでひとを殺せるこの春に中南海Zhōngnánhǎiのけぶりは重い
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納まらず納められずも納めよとなお納まらず寒風は吹く
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17.5 秒のもだに怯え果て背を向けた陽はあまりにも黒
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病める夜に冷えピタ二枚熟れ過ぎた香りのせる無花果のごと
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感情に轢かれた猿の臓物が五線譜上にまろびでており
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飲み会の二時間後にはやってくる、ほらやってくるそうクソデカい無が、
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《霜月は非線形也》託宣が機械仕掛けの神より降りる
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台所だいどこの積もる皿には触れもせで比較優位の意味を説く君
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今日はもう脳が炎上してるので道理は全てネグレクトです
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発火点を一、否四・五度超えつつもなおあきらめで抑えこむ日々
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わけもなく距離を取りたいときがある 空白の日をひとりで嘗める   
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テンソルの深き森より立ち出づる普見者アルゴスの眼とDデジタル. レーニン
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実軸と虚軸の条里しろしめすe=-1聖なる式を乙女はひらく
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どうかまだ眠っていてくれよと願うわたしの中のくりいろの希死
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雨降りのにおいが君を連れてくる別れるまえの重い気配と
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好きだったひとの匂いを思い出す感性ばかりちびてゆく夜
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玉蜀黍とうきびかひごの芯を染め上げて朝餉の卓に陽だまりの咲く
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一掬のなみだと嘘を積み果ててあしたには来るほんとうの鬼
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ことのはの嵐に倦みて偲ばるるいつでも青くたひらかな凪
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