Utakata
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感覚・空想・生活
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絶対的な無意味さに対立する複製子とエクリチュール
2
あまりにも定式的に告げられる頭蓋窩に咲くひとつの腫瘤
0
ブレイクコアと
M
R
I
の相似をなんらかの影が知らせる
2
生きていると隣にコトリと唐突な死が置かれることもある朝
4
いざりがに熱かひなやむ
青田面
(
あおたのも
)
/雪面に斬首されたる紅椿
0
僕等みな褪せた大気のダイバーで漏れた頭蓋を締め付けている
2
「ひとにはヒトの」と謂うので肝臓水解物も同じではないか
1
犬を飼うきみと犬を喰う国から来たおれ、エコシステムの断絶
2
銀幕と網膜のあわいに横たわる数億光年の暗闇
2
年確に暫時ためらう程度には染み付いているインターネット
1
おのれより死近きもので満たされる朝の整形外科の待合
7
ループラインが半時止まる、社会の歯車が砂を噛んだので
1
古今千年の歌集に焚きしめられたフェネチルアミンの薫
2
現し身の安息角を見失い辺縁系より零れることば
1
おまえの血が赤い限り過ぎゆくもの全て透明にはならない
3
泡立たない石鹸のような感性を画面にぬりひろげる親指
3
跫
(
あしおと
)
も絶叫も凡て溶かしこむ大深度地下のReverb
0
使い方も解らぬまま煙る水平線にかざす六分儀
2
箸袋たたむ娘に一抹のアーキタイプが刻まれている
2
空の安酒を置き去りにする1Kの荒廃は雄弁に無言
0
死ぬよりも生き損ねることのおそろしさに気付いてとうに成人
2
接続された世界がスクリーン越しに再演する
20
世紀
1
属人性で積み上げられた塔の上で屠殺業を営む
2
既に結論は出ているタイプの愚痴を肴に干す三缶目
3
園丁が生真面目なのでタンポポも首をすくめて群れ咲いている
5
天幕のあたたかき夜を満たすのは蒼く遥けき
テングリ
(
𐱅𐰭𐰼𐰃
)
の唄
3
聲をもつポリゴンメッシュの影たちは海賊盤のペルソナを着る
1
底冷えを照らす夜雨のSAを缶コーヒーで曇らせている
1
五十年経てば津浪の映像も断り書きが消えるのだろう
1
終末の秒読みもなくふんわりと人も巷も暮れ果ててゆく
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