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感覚・空想・生活

ママが二十で雪国と訣別した理由を三十にて思い知る
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臘梅のごとき黄色をひとすくい熱いスウプに浮かべたりする
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臘梅の黄色のごとく透き通る君の心をうらやんでいる
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骨髄より浮いた脂を嘗めてみて豚舎を渡る風はさまよう
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つむじ風指に絡めてひと吹いで見えぬ螺旋と語らう少女
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「この味は好きじゃない」と言って喫うかつてキャスターと呼ばれていたもの
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兜のしたで永く忘れていたものは気圧と天気痛と春風
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暴風を吐き出してゆけみなもとは過剰に圧搾されし胸郭
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一陣の大気の波を身に受けてことばの朝に今は漕ぎ出でな
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何となく選んでいるともう駄目で31文字みそひともじはサラダではない
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信仰がないというのも信仰でいつかの僕をはりつけにする
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夢はゼロの先にあってそらを裂く長き鉄路がはじまったのか
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一行を書き出せずいてこわいのは私自身がこぼれることです
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累積す言葉をさらに畳み込み最小位相のうたを求める
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明け方を貫く強き昴ひとつよするどい光食べさせてくれ
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ベクトルが私を指して星辰は距離を不偏に回り続ける
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さて、あとはこの一片を収めます終わりの音を聴いて下さい
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難題を行きては帰るジグソーの解いて解かれて解かれて解いて
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粉々からはじめてあとは一ピース埋まらぬだけの窓際にいる
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誰からも解かれぬままにひとくさり困惑のみが佇んでいる
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便箋をあなたのために閉じましょうたどたどしくも生きているので
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いちめんのボーダー柄の床のうえ針を投げては円を求める
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来ぬひとを待つここちして石版モノリスと上下左右を無意味に睨む
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わづか数ヶ月このいつメンが永遠とあると信じた木曜の午後
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電殻の武器を爪弾く銀色のかひなのなかに貴方は住まう
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どこからが部品パーツが編んでどこからが細胞セルが編むのかわからなくなり
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クロームと真鍮がよむ01を57577にする作業
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かりがねになにかが垂れて广やねになりやまいを得るまですこしずつ垂れ
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もう1g軽やかに文字を編めたなら編めたならもうそれだけでよい
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内部より怒れる風を吹かせおり行き場はなくてより内部より
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