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感覚・空想・生活

クソデカい魚卵икраひとつが空に浮きタイムラインに複製される
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其奴らに意志などはなく核酸に教義ドグマひとつが刻まれている
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隔離措置無き白鳥のみちゆきと鶏飼いたちを殺しゆく疫
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我等みな誰かのエゴで生みだされ誰かにエゴを託し去りゆく
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一滴のプリニー蒼に垂らされて生コン色の海嘯が来る
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終点の駅にまいにち帰るのではぐれもの達も日常となる
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白色の無音と化したアルバムの記憶ばかりがざわめいている
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野辺ゆきのみぢかき影を塗りつぶす夏の呻きのようなひぐらし
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「ゴミの山?否、都市鉱山の切羽よ」と、君はたな先ワゴンで笑う
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あはれなりなどとよむひとあはれなりなどとよむひとなほあはれなり
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ピアノ線製の泡立て器で立てた角が弱って、初夏が来る
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Ἔρωςエロースとランダムノイズを溶媒に浮かぶわたくしといふ現象
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逢えたはず、産まれたはずを想いつつ '$ diff 去年 今年こぞ ことし' の出力を読む
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鬼は独りDépaysementデペイズマンを振りかざしより破滅的な響きを探る
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ひとつ果てまたひとつ果て惰性のみ喪われゆくdead section
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この下に現れし枠それぞれにあなたのへきが隠れていたの
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理をめてまでしあわせになる君は愛さぬひととこんや心中
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狂人が自在に動き凡物は顰みに倣うインターネット
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柊野ひらぎのにおく露吸ひてしのぶ摺り嗚呼笑ってくれHelvetica嬢
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双角に無明を提げた羚羊れいよう弱草藤ヘアリーベッチの廣野をすすむ
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蔑んで串刺しあってあたしたち交雑不和合性のつがい
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たへもなくただことばのみたひらかに苦患なやみのうへをたひらかにとべ
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退嬰をなじるからだが蒼き日にくだれる月は朱紅あかあかあか
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教科書の三割ほどもやらぬ師がまいとし李徴トラを世間にはなつ
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はじまりは東のかなた濁りは融けたいのちを終日ひねもすながす
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知らぬ間に殴られていたらしく、猫に、かおなく浮かぶ空虚のなかで
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愛にできることはもうないんですよ、ご存知ですか、いかがでしたか
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眠剤を忘れた夜におとずれる死ぬほどこわいほんとうの須臾しゅゆ
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聲のない祈りをさけぶ人間は厠にくねる一本の管
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ただ今日はなにでもない日あの夏もなにでもない日ひかり降る朝
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