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感覚・空想・生活

酒呑みの宿痾をいだく我が脚よ待てすこし待て今ぞたけなわ
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磊磈らいかいをゲゼルシャフトに嵌め殺す午前八時の丸の内ビル
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だれかれも所狭しと緘黙し持ち寄りたるはさびしさばかり
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かくりよはタルトタタンの蜜色とカヤツリソウの囁きのおく
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半裂きが月をぬたりとめまわし天より下は無碍の澱みに
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こんちわと暖簾を払う雰囲気で上がり框を超える理不尽
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魂極る世界のsuに成れたとて君のこころrootはシステムのそと
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恒河沙の未知が匿う星ぼしを浚えさらえよ蟻の学徒よ
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「ここではない、何処か」を重ねるごとにほら、針の筵も広がっている
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バイバイに笑みを満たしたおさなごは別れの仕方こころえている
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薄らの誓いは破れ絶対零度サブゼロの不信は僕を磔にする
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来し方も行く末もはや酔い果てて彼我は美禄にくずおれてゆく
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自惚れと自己撞着の焦げ付きに代えの効かない夢を見ている
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風わたりうそぶく虎の箋注に [Well-definedは求めていない]
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青年のダスゲマイネは屈折し正義の手先や悪の味方に
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銀杏と金木犀がむせかえる便所のような秋もまた秋
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明朝に生くる保証はなにもなく明日は異なる紅顔がある
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十七の不甲斐なさをば胸に抱き到達不可の弾丸を噛む
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いくたびの千歳にうつる望月は儚き人の四季施をまとう
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こものメルクマアルは溶暗し企みごとは月影のした
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汀にはさよならさえも絶え果ててデラシネたちは煤煙のさき
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もろびとは摘んだその日を取り落とし無謬の瑕疵をさえずっている
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たまさかにあくがれ出づる寂しさもふはふはとして空即是色
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官能も禍福も恋もあわせ呑み偏西風と東に消える
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独り身の降伏圧がまた一つ「出席」ごとに記録されゆく
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薬効を懸念の底で待ちながらねむみのとろに溶けおちてゆく
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秋雨に櫛あきらめてあさがみの乱れてけさは獅子となりぬる
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イイこともイケナイことも少年のシーツのうちにはちきれている
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言はば識り逢ふみて問はぬ失楽を問うて死ぬるは無味のシラブル
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不無非未ふむひみを強いる奴には中指を呉れてやりなと隠者は笑う
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