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感覚・空想・生活

皮肉屋の掃除夫ひとり清水の奈落の底でシミを数える
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なまりなき鶯谷の夜歩きは生者と死者のねやが隣す
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なま成りの詠み手となりてはや四月よつき歌の悪魔に絆されている
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新嘗もSamhainサウィンも我ら手の内とカボチャ頭の魔とほくそ笑む
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いたつきの床よりながむ往来はほがらほがらでさびし疎まし
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真玉手の触れ合う先が帯びる熱に浮かされながら映画を観たい
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半月がけぶれて落ちる朝凪はむやみに泣けて帰れなくなる
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札数も強さも要らぬ配られたカードできみを斬りつけてやる
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海原のEtoEを翔ぶ鳥の淋しさを抱く安宿あすかはいずこ
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百億のtreatだけが欲しいので百鬼夜行のしんがりに付く
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爿2つ寄り合う様が好きなので川渕さんよ川淵になれ
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 け落ちたあるいは██した音節がすずろな舌に屯している
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溶け落ちた記憶の縁に夏色の複合体が吊されている
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酒呑みの宿痾をいだく我が脚よ待てすこし待て今ぞたけなわ
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磊磈らいかいをゲゼルシャフトに嵌め殺す午前八時の丸の内ビル
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だれかれも所狭しと緘黙し持ち寄りたるはさびしさばかり
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かくりよはタルトタタンの蜜色とカヤツリソウの囁きのおく
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半裂きが月をぬたりとめまわし天より下は無碍の澱みに
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こんちわと暖簾を払う雰囲気で上がり框を超える理不尽
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魂極る世界のsuに成れたとて君のこころrootはシステムのそと
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恒河沙の未知が匿う星ぼしを浚えさらえよ蟻の学徒よ
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「ここではない、何処か」を重ねるごとにほら、針の筵も広がっている
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バイバイに笑みを満たしたおさなごは別れの仕方こころえている
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薄らの誓いは破れ絶対零度サブゼロの不信は僕を磔にする
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来し方も行く末もはや酔い果てて彼我は美禄にくずおれてゆく
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自惚れと自己撞着の焦げ付きに代えの効かない夢を見ている
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風わたりうそぶく虎の箋注に [Well-definedは求めていない]
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青年のダスゲマイネは屈折し正義の手先や悪の味方に
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銀杏と金木犀がむせかえる便所のような秋もまた秋
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明朝に生くる保証はなにもなく明日は異なる紅顔がある
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