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感覚・空想・生活

いくたびの千歳にうつる望月は儚き人の四季施をまとう
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こものメルクマアルは溶暗し企みごとは月影のした
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汀にはさよならさえも絶え果ててデラシネたちは煤煙のさき
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もろびとは摘んだその日を取り落とし無謬の瑕疵をさえずっている
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たまさかにあくがれ出づる寂しさもふはふはとして空即是色
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官能も禍福も恋もあわせ呑み偏西風と東に消える
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独り身の降伏圧がまた一つ「出席」ごとに記録されゆく
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薬効を懸念の底で待ちながらねむみのとろに溶けおちてゆく
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秋雨に櫛あきらめてあさがみの乱れてけさは獅子となりぬる
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イイこともイケナイことも少年のシーツのうちにはちきれている
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言はば識り逢ふみて問はぬ失楽を問うて死ぬるは無味のシラブル
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不無非未ふむひみを強いる奴には中指を呉れてやりなと隠者は笑う
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戯れうたも百繰り経てはかたち得て調べの隙に悪魔潜むる
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この世とて所詮デプロイ七人日にんじつ アップデートの願う甲斐無し
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弓手とも馬手ともつかぬ鈍腕なまうで不動明王アチャラナータに帰依をためらう
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夏夏夏、秋、夏、秋の色調差、哭ぶコオロギ、熱帯夜、風
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もの憂さと潮解性のまどろみと久遠の青にはこばれてゆく
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いじましき会話の無為が尽くされる4000円の呑み会に出る
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子午線がよじれた浜の細螺しただみは聴きに往くのよ其の音を今日
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台所だいどこ枸櫞くえんの精をまとわせて 所帯の澱はさわやかに散る
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袈裟がけに意味の臓腑を詠み捨てて 京の河原にこうべ供える
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ひさかたのinfra red赤外光を透かし見て可視光域の傲慢を知る
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そろそろと降りつむ黴に傘閉じて 優しき病膏肓に入る
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嘘らしく漂白されたひとごとに月夜が灯り纏うしがらみ
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いま星が終わる音したてのひらに錆釘五本突き立てて待つ
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にじ色の蒸気の波を廃園に 褪せたvinylビニルはしめやかに鳴く
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踏み台に乗せた意識に吹き寄せる 西尾維新を読み過ぎた夏
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㌦㌶㌢オジモ ノオ ㌘㌦㍗ ニヤ  ミ 
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文字躍る耐へくる千世の怨娶り捨つる葎に宿る永久見つ
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うわごととたへの滲んだ境界にタングステンの切っ先を置く
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