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感覚・空想・生活

成獣の青年たちはせわしなく生産性を責められている
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地下に咲く蘭を手折りて君は云う華々しきが花のみかはと
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月面の現在地から源流の原生林でゲリラライブを
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結晶の獣どもをけしかけて形式美など蹴散らしてゆけ
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真空のタンブラーは結露しないぶん「冷たそうさ」が目減りしている
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20時に取っ組み合いが終わらないティーパーティに票を投じる
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婉然と笑む空想の絵姿をAIたちに演繹させる
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えも言われぬの前三文字を抜き出してエモいエモいとよろこんでいる
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一握の塩のみがある午前二時、世の光にはなれそうもなく
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君の子を「少年」と呼ぶお姉さんになりたい程にこじらせている
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瑠璃色の坩堝をぬすむ累犯で類人猿を流謫るたくに処する
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灯明は真っ直ぐに立ち背後では火影ばかりが揺らめいている
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ゆるやかに弓張月は夕暮にゆかり色への夢路をたどり
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ほろ酔いで飽かずに盃は重ねられ西船橋の前で目覚める
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すばしこいエンダーマンに三乙し世界を未だ救えずにいる
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無風から向かい風へと蒸し返し謀反人らは群れだちてゆく
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プラマイをゼロにしていけ奴なんて人間八十年では誤差だ
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好きだってこころを祀れないうちは結ばれる日はほんとに来ない
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舞踏する文節たちを分解す仏頂面の文学者たち
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戦いのうしろに居てもわたしたちここは戦後だって忘れる
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爆発の素材に使う程度には衣が厚いやつを食いたい
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ふるさとの冬空に夜は更けてゆき降り積もるのは不真面目ばかり
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素裸で抱き合う青年たちのこと意味も知らずに読んでいた頃
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沼底に盗人たちを塗り込めてヌンの化身は濡れそぼち立つ
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観戦席用意しといて目の前であたしが奴をぶん殴るので
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ヅカファンに連れられたのが一昨年でいまは誰かを連れてきている
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スマホから呟いたのは「スマホどこ」いつも近くに幸せの鳥
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継ぎ接ぎの作り笑いに包まれて「つらい、つらい」と呟いている
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たどりつくのは出航地また次の旅を見つけるために旅する
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宛先はアルファベットの五ー六番その間にて暮らしています
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