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感覚・空想・生活

団交で向かい合う日の上役は硬い組織の貌をしている
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レーダーにうつらないざざ降りの雨きみを足留めさせる言い訳
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戯れに企んでいたたわごとを手向けの花に焚きしめている
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非破壊の検査・構造解析は破断しかけの二人に不要
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罪人は柘榴のしたで座して待つ残夏を覆うざざ降りの雨
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Al3+で変わる花の色と花火の色は禁句だろうか
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歳月をさらう流れに棹さして逆らう君はさびしからずや
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刃を持って渡せるようになったのはさんざんキミを叱った証拠
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ガラス越し蝦蟇いっぴきはがらがらと画布のすみから凱歌をあげる
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風逸る交わした袖の香をもとめ唐紅の川向こうへと
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怒られて懲りた顔だけ巧くなり今日もわずかに大人びてゆく
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ケーキを切れなくても今日はやってきて3000円をまたツケていく
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汗くさい朝のしとねはありふれた愛のかたちを彩なしている
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ンブシーを取り分けたしわしわの手に今日はカジマヤーを持たせる
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をちかたををろがむ人のをごめいて烏滸をこなる友ををこつりて去る
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路傍にてロマンチシズムを朗々と論ずるための呂律が回る
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夜を越して酔いどれるまま世をわたり預言者たちは予想をはずす
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もう二度と靄のさきには戻れない木造橋は燃やされている
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分かたれた血の意味を知る花一輪うまく言葉にできない代わり
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ポピーだけポッケに挿してポエットなポーズできみをポルカに誘う
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ぷかぷかとプールサイドのプリンスはプラスチックのプライドを捨て
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ちょっとナメられるくらいが生きやすく今日の歩数を手帳に刻む
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いつのまに陽は落ちていて酒場から聞こえ始めるホンキー・トンク
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僕らみな墓標となりて茫洋と菩薩のような盆暮れの海
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かなわないお願いばかり聞いていた神社の隅の古い街灯
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ほろびゆく星々たちに帆を立てて放浪者らはほろほろと去る
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むねをうつ早鐘ばかり鳴り響きニトロはいまだ舌もとにいる
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のっぺりと農道だけがのびている野をゆく軍に狼煙があがる
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なつかないポケモンみたく誰彼に八つ当たりだけ繰り返してる
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どちらにも泥にまみれた道路のみ独身者を同志にあるく
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