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感覚・空想・生活

その本のスピンは25頁にはさまれたまま返却された
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日中がだめで朝から消えたくて白夜のつづく国にゆきたい
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はにかんでいる祖父やっと撮れたのは大声で泣くわたしのおかげ
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ヴェネツィアとヴェニスとそしてヴェローナでヴェロニカは追う復讐者ヴェンデッタとして
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「一緒に」と言えないことの言い訳はいじらしくもいとおしくもある
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ヴィーナスはヴィクトリアンなヴィジュアルでヴィジランテらとヴィオラにおどる
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見なくても結果はわかる本厄で引くおみくじはぜんぶ大凶
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あおぎみる太陽の塔その顔にいのちかがやく脈々となお
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ヴァレリーとヴャレンティヌスとヴァチカンにヴァカンスにゆくヴァンパイアたち
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人妻になった君を飲みに誘うほうが楽だと思わなかった
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この香りほんとはきらいだったのにラボの記憶と不可分になる
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涼風は遼河を超える繚乱の緑土をめざす旅団とともに
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流麗な流砂にひそむ龍神に竜騎兵らよ榴弾を撃て
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もう君は彼岸の浜に腰掛けて星を見ているところだろうか
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なんとなくリズムを取ったお囃子が病棟中に鳴り渡る朝
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略章の掠奪者ども略伝で略装のままリャマを率いて
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きみはマメなのでボケて撮りそこねた写真はごみ箱からも消し去る
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上﨟と女王陛下の情愛は叙事詩となりて上演される
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見送りに肩より上に手を挙げて繋いだ父を見下ろしている
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一度だけきみが使ったナンプラーが別れたあとも鎮座する棚
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十全な準備を済ませ術式に呪物のひそむ重箱を置く
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いちまいの処方箋のみきみは持つオーバードーズするためじゃなく
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ジャム煮ゆるじゃらつく猫を邪険にし寂然としたジャズに聴き入る
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父さんの吸うマルボロを貴方とのキスでなんとなく思い出して
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勝敗に正直すぎる少年の初期衝動に触発される
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ぜったいに外には干せぬ時期が過ぎただちに梅雨に入る理不尽
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粛々と囚人たちは祝祭の収穫物を集荷してゆく
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ジャケットにジャンプ片手の若輩は邪気のない目で雀卓につく
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胡蝶花しゃがいちりん車輪の傍でしゃがみ込み車軸を流すシャワーを浴びる
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出生のひみつ血液型だけがこうも似ているけれど合わない
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