Utakata
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感覚・空想・生活
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十全な準備を済ませ術式に呪物のひそむ重箱を置く
4
いちまいの
℞
(
処方箋
)
のみきみは持つオーバードーズするためじゃなく
2
ジャム煮ゆるじゃらつく猫を邪険にし寂然としたジャズに聴き入る
6
父さんの吸うマルボロを貴方とのキスでなんとなく思い出して
7
勝敗に正直すぎる少年の初期衝動に触発される
5
ぜったいに外には干せぬ時期が過ぎただちに梅雨に入る理不尽
7
粛々と囚人たちは祝祭の収穫物を集荷してゆく
4
ジャケットにジャンプ片手の若輩は邪気のない目で雀卓につく
2
胡蝶花
(
しゃが
)
いちりん車輪の傍で
蹲
(
しゃが
)
み込み車軸を流すシャワーを浴びる
6
出生のひみつ血液型だけがこうも似ているけれど合わない
4
食卓にみんなは帰り公園でひとりぼっちのこのゆびとまれ
7
釈迦堂に斜影の落ちて綽綽と沙門はひとり釈文を解く
3
下履きに時雨はすでにしみ通り羊歯のむこうに鹿の呼ぶ声
3
行者らの玉随ひかる暁角を澆季の朝に凝然と聴く
3
翠色の花があったら教えてね、と病理学者は助手たちに笑む
2
鋼鉄の翼のせいでずいぶんと小さくなった気がする日本
5
しっとりと世界はしずか今日だけは見ないで済む君の導火線
3
今日からは兄弟たちは凶悪な恐竜として競走にでる
5
牛酪を求肥でつつみぎゅっとした牛乳もちを牛耳っている
2
乾燥の済んだ肌着を柔肌と洗濯槽で往復させる
4
曇天は誰しも影を失うので堂々と昼日中をあるく
5
目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
3
今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
4
給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
2
西方に赤き幟のはためいてその児の遊ぶ都はあるか
3
心根は英国人のつもりなのでこれくらいでは傘をささない
6
病院は満員であり全席が優先席のような待合
8
禿頭に匹敵せらる灯火をスマホに照らしおんじがすわる
3
あの
女
(
ひと
)
はおれが寝ている六年の
間
(
ま
)
に結婚し子は小学生
3
胸元の赫いしるしをとがめられやっかいな蚊と云う浅い嘘
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