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感覚・空想・生活

まっくろな海へと僕ら走り出しあの夜だけの星座になった
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みやこ路のアーバンネットワークでも「汽車が来るよ」と道産子のきみ
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渇望が無数の蛇の絡み合う都市の奥から滲み出す夜
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二車線の左がやけに埋まりだしこの道行きは右折だと知る
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にらめっこつられて笑うきみとぼく地球照は夜空にうかぶ
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単一のuni-かたちformを帯びた鋳型から漏れ落ちていた過去をほどいて
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軸となる実景を得て迅速に慈愛をこめて自我をうずめる
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先生といわれるほどに生きてきた気がしないまま先生をする
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このきずのおかげで今日を詠んでいてときおりそっと撫でつけている
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二度目の死、未読ばかりが延びていく画面ももはや見えなくなって
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遠足で仔山羊を撫でる感覚で「法に触れてみよう」と誘う
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想像を超えて巨きな泡沫うたかたの薄膜上で歴史をつづる
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端正な山のほとりで明日からの雨風のない道を祈って
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そうやってお前とおれの断絶は百年前から広がっている
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垂直に昴はのぼり筋雲は水平線を過ぎ越してゆく
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きみはたぶん序盤のつよい中ボスで我が人生の裏ボスじゃない
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寓居にて宮司はつまむ群生す茱萸ぐみの樹に生る紅蓮のしずく
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平和にもチャンスをくれと言い続け四半世紀を生き延びている
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のこりものばかり部屋には増えていき選んだのも選ばないのもおれ
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新月の晴れた丘にて今日からはメシエをひとつひとつ見つめる
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失くなった優勝可能性だけど白球を追うまなざしは濃い
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暮れがたのくすの陰よりくちなわはくびるえものを企てている
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荷解き終えつとめを終えた部屋中のカードボードを平面に帰す
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浮き世へとうまれるまえの薄明かり憂いを帯びた海がはじまる
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うたよみの潜る廃坑つるはしとジーンズなどを売りさばきたい
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六秒を過ぎて居座る静謐で比喩の皆無な殺意とともに
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元来の祇園精舎になき鐘は片手で鳴らす柏手のごと
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おまつりはまだ終わらない様々の世界が並ぶ片隅に立つ
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何人も未踏の峰のいただきに姉羽鶴アネハヅルのみ知る空の蒼
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君だって指差すために幾千も積み上げてきた状況証拠
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