Utakata
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感覚・空想・生活
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失くなった優勝可能性だけど白球を追うまなざしは濃い
3
暮れがたの
樟
(
くす
)
の陰よりくちなわは
縊
(
くび
)
るえものを企てている
4
荷解き終えつとめを終えた部屋中のカードボードを平面に帰す
3
浮き世へとうまれるまえの薄明かり憂いを帯びた海がはじまる
2
うたよみの潜る廃坑つるはしとジーンズなどを売りさばきたい
3
六秒を過ぎて居座る静謐で比喩の皆無な殺意とともに
3
元来の祇園精舎になき鐘は片手で鳴らす柏手のごと
2
おまつりはまだ終わらない様々の世界が並ぶ片隅に立つ
4
何人も未踏の峰のいただきに
姉羽鶴
(
アネハヅル
)
のみ知る空の蒼
7
君だって指差すために幾千も積み上げてきた状況証拠
4
乳頭に毛糸を垂らし一糸ほど纏っていると主張するきみ
1
ゆびさきを針刺すたびに握りしめ赤いビーズを生やしてしまう
6
肺胞に幽かな針と分け入ってきみのことばを分かってみたい
3
秒針を追い越せぬまま凡百の選手の夏がさきほど終わる
4
朝涼を裂いて同志はテラスへと
Ω
カーブを駆け抜けてゆく
2
針ひとつボーダー柄のゆかに落ちその値へと近付いていく
2
金剛の針を落として眼をつむり円かな声を聴く皐月闇
2
ざわめきが訪れてなお楽章にひびきつづける通奏低音
5
人知れず大気はうごき閉ざされた原野のかたち確かめてゆく
6
密やかに結晶はのび不可算のきらめく針をはらむ晶洞
4
託宣は外れると思う歯車は閏秒から歩みをずらす
2
どんな日も石碑のように立ち尽くしなにかの罰を巨像は背負う
3
恒星のまばゆい死期を焼け残る遺骨としての純鉄の核
5
夜明け前蛇口をひねりその都市の経絡となるダクタイル管
2
ふぁぼなんてもう古語となり
×
(
ペケ
)
型の墓標に青い鳥は眠れる
3
楽だったシフト上がりのイヤホンは凱歌をヘビーローテーションで
3
星空を見るヒマもない僕たちに深宇宙から疑問がとどく
7
紅葉の風は俄かに吹きだまり跳べとごとくにうづたかくなる
3
彫像の直視をうける蝶きっと頂上までの長距離をゆく
3
サボテンを枯らし駱駝を
斃
(
たお
)
す熱アトモスフィアは灼き付いている
6
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