Utakata
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感覚・空想・生活
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針ひとつボーダー柄のゆかに落ちその値へと近付いていく
2
金剛の針を落として眼をつむり円かな声を聴く皐月闇
2
ざわめきが訪れてなお楽章にひびきつづける通奏低音
5
人知れず大気はうごき閉ざされた原野のかたち確かめてゆく
6
密やかに結晶はのび不可算のきらめく針をはらむ晶洞
4
託宣は外れると思う歯車は閏秒から歩みをずらす
2
どんな日も石碑のように立ち尽くしなにかの罰を巨像は背負う
3
恒星のまばゆい死期を焼け残る遺骨としての純鉄の核
5
夜明け前蛇口をひねりその都市の経絡となるダクタイル管
2
ふぁぼなんてもう古語となり
×
(
ペケ
)
型の墓標に青い鳥は眠れる
3
楽だったシフト上がりのイヤホンは凱歌をヘビーローテーションで
3
星空を見るヒマもない僕たちに深宇宙から疑問がとどく
7
紅葉の風は俄かに吹きだまり跳べとごとくにうづたかくなる
3
彫像の直視をうける蝶きっと頂上までの長距離をゆく
3
サボテンを枯らし駱駝を
斃
(
たお
)
す熱アトモスフィアは灼き付いている
6
美
(
ちゅ
)
ら海の中核にある中宮に仲夏をひらく昼光の射す
4
融け落ちる瀝青のうへ黒揚羽舞ふ雑踏のいづくにか花
2
遠花火多くのifを織り込んでこの眼にうつる鮮やかさのみ
3
夏も暮れまだ飛び立たぬ雛燕ぼくらは時季をのがしつづける
5
夏の日の物陰強くきわだちて街は神秘と憂鬱のなか
3
ささやかな神殿となるキッチンで母はひとりの神職となる
8
みんな死ぬ死ぬがせいぜいとりどりの死まで生きよと願う教室
4
母と子をかかえ一つの要塞のごとく電動自転車駆ける
8
弧を描く白球放つ若虎よ向こうの空に球宴はある
4
ぼくという連続性をヒュプノスが断ち切るところ見れぬまま朝
3
限りなく透明になり体温と交換させるポカリスエット
6
茶の湯炭に着想を得て着火した
薄墨
(
チャコール
)
の浮く
白磁
(
チャイナ
)
のうつわ
2
ヴラドツェペシュの末裔はこんなにも月を緋色に染めただろうか
2
ユニークな裂帛をする先輩にいちども勝てぬまま受験生
2
AIを介さなくても外つ国の少女が放つ怒りはわかる
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