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感覚・空想・生活

入梅にニュルンベルクに入定す入道の眼は柔和にくもる
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半世紀待たせているの黄泉こうせんのほとりに薔薇が十二本ある
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西の果て和魂にぎたま照らす日輪はニライカナイへとにじみ寄る
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朝夕ぢょうじゃく長夜ぢょうやはわずか調伏ぢょうぶくされ地府ぢふの閻魔は帙簀ぢすをひらいて
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直截に知覚している超人は地を這う草の力強さを
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この夜を越えてあなたに会いにいく夢みる頬が溶かされるまえに
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なにひとつできないかわり術中に握りしめてた袋をわたす
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周年を野良にてすごし毎日が明日の稔りにつながっている
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🀒🀓🀗🀗 🀐🀑🀒 🀅🀅🀅 🀜河のいろもみどりを除きすぎていて自摸ツモにすべてを賭けるしかない
2
捨て猫に傘のみかぶせ立ち去ったそのやさしさは冷たい雨で
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掌にタコが生まれて海がくる 祖母は魚の貌をしている
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🀇🀈🀉🀎🀏🀐🀒🀓🀜🀠🀠🀡🀅 🀑四筒を切り損ねてはベタオリの検討に入る十三巡目
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姉という魔王の手から守り抜くイスパハンは世界の半分
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その国の大統領はあばら屋の固定資産税を払ってない
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この剣は抜けないけれどきみだけがぼくの世界を救ってくれる
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この道をきのう横切るねこが居てまぐれあたりは繰り返せない
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いつもよりつれない君はもやのなか夜の小路をリズムとあるく
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一杯の桂花陳酒を秋空に旅立つ君よ更に尽くせと
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千年を過ぎて火もない踏鞴たたら場は神などいない森に呑まれて
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黒はんぺんをこよなく愛すきみにこそ知ってほしいなカニ面の味
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オホーツク隔つ波間に帆を立てるその貝柱食ってみな、飛ぶ
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重力を喪う星で落葉の終末速度は限りなくゼロ
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アメフト部、ツーブロックのゴリラにも抱えきれない悲しみはある
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別れ際、ぶっきらぼうな口吸いはその吸い殻と同じ香がして
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誰よりも早く終端速度へと至れる崖は地図上にない
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シャッターの速度は逃すきみだけの翳りをそっと拾いとらせて
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もろもろの答えはすべてアマゾンの奥地できみを待ち構えてる
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偶像が禁じられてるあの子ほど文字や模様に憧れがある
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ぬるいめの水風呂がいいゆっくりと焼き入れされて身体はとがる
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はふはふとぬらめく赤い舌だけが血潮の熱を彼から奪う
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