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感覚・空想・生活

鐘楼は街に根ざして毎日のくらしと時を共振させて
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夜通しで魔王を斃し翌朝の眼の奥を指す日差しをにらむ
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掃除機でリセットされた世界には半日ほどのほんとがあった
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青春は「スマブラ」じゃなく「だいらん」で「エフエフ」じゃなく「ファイファン」だった
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五年ほど外にでていた海はひろい、何の成果もなかったけれど
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万人のおすすめばかり流れ来るここはマスプロダクションの果て
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資本主義世界のもとで高らかに買い物ブギをかき鳴らす指
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君と暮らすただそのためにショッピング枠を30万円増やし
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コンビニできみの世界につながったA4二枚を携えて、空
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こんなにも、こんなにもわかりやすく見せつけた愛、見落として君
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幾星霜隔てた地から新年をライスケーキを重ねてねがう
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ひとつぶの遺骨を噛んで遂に知るおまえがおれのケーキだったと
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ひとかけのケーキのように簡単にこの感情を飲み下したい
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蝦夷鹿も熊もすべてを骨に帰す菌床は知る大地のちから
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その部屋に置かれた林檎その色はまだ獰猛な名前を背負い
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UNIXその概念は銀色の箱の底にて息はあるのか
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毒入りのりんごを背負いスタバからスタイリッシュを賑やかす板
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ぜつぼーをたのしんでいけ毎日はノックアウト寸前のゴング
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街角に異形の充ちて何者もこの祝祭を統率しない
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なにごともなきようねがい本官は凪いだ浜辺に敬礼を交わす
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恋情の上り速度は光速を超えて下りは限りなくゼロ
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文字列の総和はついに1メガを越えて手紙は読み返せない
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JPEGのとばりは降りずピクセルにらされていた中三の夜
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おれだってこんな世界に生きていておかしいと思いつづけている
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日本語の私生児バタールを産めこの街にくよっひいぶきゅんうれっぽ
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誰彼も葉巻のごとく豪勢に豊かに永く生きていたくて
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垂直に世界は閉じて外からのまれびとは絶え百年が経つ
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この先はただ行き止まりトンネルはつめたい視線だけを飲み込む
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壁のまえに卵を持って立ちすくむぼくは空のむこうを知らない
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病棟でもう信仰などないと3500回は遍歴
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