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感覚・空想・生活

物体にこごった価値を担保するみんなみんなの物語たち
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もういちど生まれたつもりいつ去るかわからない身を空にゆだねて
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休職も明けて忘れていたものと残したものをひろいあつめる
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手術こんをまたぐかぼそい神経がふたたび寄越す風のつめたさ
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持てあます大好きだけをまっすぐに伝えるすべをきみは知らない
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園児等がおててつないで一斉にゴールしたを奪い合う親
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式場のうらで煙草に火をつけておまじないするあなたの門出
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指先は接続されて現代のブラック・マーケット・ブルースでおまえを
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カーテンのむこうにいまだシリウスはつめたくあたたかく輝いて
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ふくよかに朝霧を吐き出してゆくルビンの壺のような河口に
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アレグロはまだ遅すぎるわたくしを三倍速で耕しなさい
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編みぐるみをひたすらに解く思い出はもうすぐ一次元へと還る
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ひとすじのほつれが生んだ伝線は吸い付くように腿へとのぼる
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霞よりか細い糸でむすばれてわたしの喉は宙へと還る
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最適な答えはいつも真っ直ぐに地球の芯を向いているひも
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紐帯は解かれぬままに半世紀日なたに落ちるかげに寄り添う
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幾重にも位相をむすぶ端のない11次元のひもを掴んで
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前向きな人間なので死にたいと思ったときは「殺す」と思う
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過程より結果がだいじ過程より結果がだいじ過程より 殺す
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白黒の道行くひとはバタバタと時代の走る速度であるく
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円盤をコマ送りしてあのファンサを幾重に脳に焼き付けている
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映像の世紀の次におとずれる事実を揺らす深遠な嘘
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特別な気配をまとい要人のように六時の準急に乗る
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ローソンの裏手にいつもいた猫の気配が家の窓際にする
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上野駅のわずかに低い天井と東人あずまびとらにあいさつをする
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遠浅の渚ようやく指さきをつめたく濡らしじっと手を見る
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祈っても助からぬもの祈ってもこぼれてしまうじっと手を見る
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あらっても落ちない血のり太陽にこわごわ透かしじっと手を見る
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わらわれた夢をかたちにしてみれば最後に立ってわらうのはぼく
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緊張の緩和ぼくらは猿だったころからいつも笑いつづけた
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