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感覚・空想・生活

街角に異形の充ちて何者もこの祝祭を統率しない
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なにごともなきようねがい本官は凪いだ浜辺に敬礼を交わす
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恋情の上り速度は光速を超えて下りは限りなくゼロ
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文字列の総和はついに1メガを越えて手紙は読み返せない
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JPEGのとばりは降りずピクセルにらされていた中三の夜
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おれだってこんな世界に生きていておかしいと思いつづけている
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日本語の私生児バタールを産めこの街にくよっひいぶきゅんうれっぽ
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誰彼も葉巻のごとく豪勢に豊かに永く生きていたくて
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垂直に世界は閉じて外からのまれびとは絶え百年が経つ
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この先はただ行き止まりトンネルはつめたい視線だけを飲み込む
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壁のまえに卵を持って立ちすくむぼくは空のむこうを知らない
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病棟でもう信仰などないと3500回は遍歴
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親指のへりがだんだん腫れていてあれは剥がすべきではなかった
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あほなのでセールはじまる前日に一万円の買い物をした
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もう酒を買えるほどにはジャラ銭が預金されてる洗濯機のした
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海原を知らぬイルカは俺様の美技に酔いなとラッセンのように
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部屋のすみぢっと眺める雄猫はきらいなひとのかげを見ている
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ねこがいます感染性のかわいさは数千年のパンデミックは
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ふたりきりになるまではまだ外せない目線はいつもくびもとのそれ
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この冬も野山を駆けて山鯨ぼたんの花はまだ咲かせない
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黒服が運ぶケースにこの星の運命線がつながっている
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次はいつ還ってくるの宇宙塵にまみれた汚い雪だるまくん
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ゆっくりと終わっていけよ雪虫があしたの夜と告げているので
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ひろしまの鐘のふるえはおわらないからもうだれも打ち鳴らさない
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新世界かえってくるとひとりでに復活する歯ぐきふるえ音
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振戦をとめてジャイロはひとさじを大切なあたりまえをすくう
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一杯がファーストロット埋め尽くし贅をきわめた給餌のはじまり
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赦せないひとをだんだんミュートしていないようにしてゆるせない
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ちょっとずつ地層を剥いていくように家族になっていくんだろうか
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終わらない待ち行列に加えられ死ぬのはいつも他人ばかりで
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