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感覚・空想・生活

親指のへりがだんだん腫れていてあれは剥がすべきではなかった
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あほなのでセールはじまる前日に一万円の買い物をした
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もう酒を買えるほどにはジャラ銭が預金されてる洗濯機のした
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海原を知らぬイルカは俺様の美技に酔いなとラッセンのように
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部屋のすみぢっと眺める雄猫はきらいなひとのかげを見ている
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ねこがいます感染性のかわいさは数千年のパンデミックは
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ふたりきりになるまではまだ外せない目線はいつもくびもとのそれ
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この冬も野山を駆けて山鯨ぼたんの花はまだ咲かせない
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黒服が運ぶケースにこの星の運命線がつながっている
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次はいつ還ってくるの宇宙塵にまみれた汚い雪だるまくん
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ゆっくりと終わっていけよ雪虫があしたの夜と告げているので
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ひろしまの鐘のふるえはおわらないからもうだれも打ち鳴らさない
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新世界かえってくるとひとりでに復活する歯ぐきふるえ音
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振戦をとめてジャイロはひとさじを大切なあたりまえをすくう
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一杯がファーストロット埋め尽くし贅をきわめた給餌のはじまり
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赦せないひとをだんだんミュートしていないようにしてゆるせない
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ちょっとずつ地層を剥いていくように家族になっていくんだろうか
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終わらない待ち行列に加えられ死ぬのはいつも他人ばかりで
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全力で敗れたことを生きがいに曾孫の代までっていくので
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壁のシミ数えてる間に終わるって言われた273秒
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濡れそぼちうけのよろこびわからずに愛知らぬまま終わるのは厭だ
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君の身は切り分けられてその稚児の明日を生かす聖体となる
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「あんぱんまん」「まま」とは言ってくれるけど「パパ」はいまだに言ってくれない
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地上にて名を負う星になったので君は空へはゆけなかったね
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日の落ちる速度ではしれ間に合わぬきみのいのちに間に合わぬとも
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楽園で産めよ殖やせよ地に満ちよ言うたおっさんはここになおれ
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その炉心は若狭の海をみなもとに畿内をてらすはずだったけど
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いつのまに放電されてからっぽの気持ちをきみに隠したままで
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残量がなくなるほどに減りにくいスマホはぼくの人生と逆
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電子的なしがらみがこのアイコンを一押ししたらひとつは増える
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