Utakata
登録
Login
ef ⍨
フォロー
146
フォロワー
107
投稿数
1160
感覚・空想・生活
« 最初
‹ 前
…
17
18
19
20
21
22
23
24
25
…
次 ›
最後 »
この香りほんとはきらいだったのにラボの記憶と不可分になる
5
涼風は遼河を超える繚乱の緑土をめざす旅団とともに
2
流麗な流砂にひそむ龍神に竜騎兵らよ榴弾を撃て
1
もう君は彼岸の浜に腰掛けて星を見ているところだろうか
3
なんとなくリズムを取ったお囃子が病棟中に鳴り渡る朝
4
略章の掠奪者ども略伝で略装のままリャマを率いて
2
きみはマメなのでボケて撮りそこねた写真はごみ箱からも消し去る
3
上﨟と女王陛下の情愛は叙事詩となりて上演される
2
見送りに肩より上に手を挙げて繋いだ父を見下ろしている
4
一度だけきみが使ったナンプラーが別れたあとも鎮座する棚
8
十全な準備を済ませ術式に呪物のひそむ重箱を置く
4
いちまいの
℞
(
処方箋
)
のみきみは持つオーバードーズするためじゃなく
2
ジャム煮ゆるじゃらつく猫を邪険にし寂然としたジャズに聴き入る
6
父さんの吸うマルボロを貴方とのキスでなんとなく思い出して
7
勝敗に正直すぎる少年の初期衝動に触発される
5
ぜったいに外には干せぬ時期が過ぎただちに梅雨に入る理不尽
7
粛々と囚人たちは祝祭の収穫物を集荷してゆく
4
ジャケットにジャンプ片手の若輩は邪気のない目で雀卓につく
2
胡蝶花
(
しゃが
)
いちりん車輪の傍で
蹲
(
しゃが
)
み込み車軸を流すシャワーを浴びる
6
出生のひみつ血液型だけがこうも似ているけれど合わない
4
食卓にみんなは帰り公園でひとりぼっちのこのゆびとまれ
7
釈迦堂に斜影の落ちて綽綽と沙門はひとり釈文を解く
3
下履きに時雨はすでにしみ通り羊歯のむこうに鹿の呼ぶ声
3
行者らの玉随ひかる暁角を澆季の朝に凝然と聴く
3
翠色の花があったら教えてね、と病理学者は助手たちに笑む
2
鋼鉄の翼のせいでずいぶんと小さくなった気がする日本
5
しっとりと世界はしずか今日だけは見ないで済む君の導火線
3
今日からは兄弟たちは凶悪な恐竜として競走にでる
5
牛酪を求肥でつつみぎゅっとした牛乳もちを牛耳っている
2
乾燥の済んだ肌着を柔肌と洗濯槽で往復させる
4
« 最初
‹ 前
…
17
18
19
20
21
22
23
24
25
…
次 ›
最後 »