Utakata
登録
Login
ef ⍨
フォロー
149
フォロワー
112
投稿数
1293
感覚・空想・生活
« 最初
‹ 前
…
22
23
24
25
26
27
28
29
30
…
次 ›
最後 »
ジャケットにジャンプ片手の若輩は邪気のない目で雀卓につく
2
胡蝶花
(
しゃが
)
いちりん車輪の傍で
蹲
(
しゃが
)
み込み車軸を流すシャワーを浴びる
6
出生のひみつ血液型だけがこうも似ているけれど合わない
4
食卓にみんなは帰り公園でひとりぼっちのこのゆびとまれ
7
釈迦堂に斜影の落ちて綽綽と沙門はひとり釈文を解く
3
下履きに時雨はすでにしみ通り羊歯のむこうに鹿の呼ぶ声
3
行者らの玉随ひかる暁角を澆季の朝に凝然と聴く
3
翠色の花があったら教えてね、と病理学者は助手たちに笑む
2
鋼鉄の翼のせいでずいぶんと小さくなった気がする日本
5
しっとりと世界はしずか今日だけは見ないで済む君の導火線
3
今日からは兄弟たちは凶悪な恐竜として競走にでる
5
牛酪を求肥でつつみぎゅっとした牛乳もちを牛耳っている
2
乾燥の済んだ肌着を柔肌と洗濯槽で往復させる
4
曇天は誰しも影を失うので堂々と昼日中をあるく
5
目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
3
今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
4
給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
2
西方に赤き幟のはためいてその児の遊ぶ都はあるか
3
心根は英国人のつもりなのでこれくらいでは傘をささない
6
病院は満員であり全席が優先席のような待合
8
禿頭に匹敵せらる灯火をスマホに照らしおんじがすわる
3
あの
女
(
ひと
)
はおれが寝ている六年の
間
(
ま
)
に結婚し子は小学生
3
胸元の赫いしるしをとがめられやっかいな蚊と云う浅い嘘
3
ギャンブルに謔浪しては瘧疾の逆境すらも逆縁とする
2
脚本は却下されずに客演の華奢なスターが脚光を浴び
3
飛び出した腸を見てなんとなくヒトのホルモン鍋は不味そう
2
なかなかに取れない疣と思いきやSFTSを播くあいつだ
2
銀色の義肢を軋ませぎらぎらと吟味している銀河のいろを
4
蒼ざめたインドのエール一杯できみは帰ってしまいひとりで
2
如月の霧雨が沁む傷痕に騎士団長は北風を負う
1
« 最初
‹ 前
…
22
23
24
25
26
27
28
29
30
…
次 ›
最後 »