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感覚・空想・生活

猛暑日を超えて酷暑日あたりからひとのこころの折れる音する
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文明の充ちる銀河も端々に未踏の星はまだあるだろう
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雑踏に逆行してはひとりきりあづまの空はうるさくせまい
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夏が来る意味だったけどチョコミントあなたが嫌いだったら嫌い
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消えものと残りものとを思案して反映させるあなたとの距離
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見てないで言葉をつがえ遠ざかる闇夜の月を撃ち抜いてゆけ
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母と子の嵐の後に残されたトマトがひとつ佇んでいる
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階梯をいくつ降りればきみのいる次元の海に行き着くだろう
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煮えたぎる赤色きみが美味そうにすすり横目にぼくは甘口
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投げやりに返す返事をあとなんど聞けるだろうか君との暮らし
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水面を裂いたバサロの水しぶき遠くに聞こゆ16の夏
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実家から千キロさきのからっぽの部屋からぼくの生は始まる
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丁寧に水と肥料をあげていてカーネーションにまだ花はある
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警報が出ると日本のそこここにwinnie the poohが現れている
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脈釣りの脈どころ其は脈絡と脈取るゆびの脈波をむすぶ
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夜なのに暮れない空の夕焼けは異邦のぼくをしずかに包む
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めくるたび近付いていくことしから1人になった夏の記念日
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傷ついたふりだけ今日も巧くなるだれに甘えるわけでもなくて
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金継ぎで使い続けたその碗で供えるすこし硬めのご飯
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大部屋の畳は音をよく吸ってぼくの布団は夜の中心
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うたをよむこの瞬間がなんらかの魔境にあるとつゆ知らぬ朝
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渦巻ヴォルテクスヴォルガを覆う軽喜劇ヴォードヴィルヴォーカルはよりヴォリュームを上げ
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その本のスピンは25頁にはさまれたまま返却された
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日中がだめで朝から消えたくて白夜のつづく国にゆきたい
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はにかんでいる祖父やっと撮れたのは大声で泣くわたしのおかげ
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ヴェネツィアとヴェニスとそしてヴェローナでヴェロニカは追う復讐者ヴェンデッタとして
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「一緒に」と言えないことの言い訳はいじらしくもいとおしくもある
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ヴィーナスはヴィクトリアンなヴィジュアルでヴィジランテらとヴィオラにおどる
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見なくても結果はわかる本厄で引くおみくじはぜんぶ大凶
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あおぎみる太陽の塔その顔にいのちかがやく脈々となお
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