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感覚・空想・生活

ギャンブルに謔浪しては瘧疾の逆境すらも逆縁とする
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脚本は却下されずに客演の華奢なスターが脚光を浴び
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飛び出した腸を見てなんとなくヒトのホルモン鍋は不味そう
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なかなかに取れない疣と思いきやSFTSを播くあいつだ
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銀色の義肢を軋ませぎらぎらと吟味している銀河のいろを
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蒼ざめたインドのエール一杯できみは帰ってしまいひとりで
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如月の霧雨が沁む傷痕に騎士団長は北風を負う
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幾たびも今を限りと生きのびて巌のごとき威容は褪せる
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腹が鳴る大きな召使いがまだ起きてないので殴りに行こう
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「太るぞ」と。そんなことはわかっている、だが今食わねばわたしではない
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わたつみをわたるみちゆきわがこひはわびしさのみがわだかまりゆく
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埒もなくlikeがやがてloveになるらせんはここに濫觴を見る
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忽然とぼくが生じたわけじゃない手品じゃ子供は産まれないので
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闇討ちに鑢で消したやわらかな刃をかざす優しいあなた
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午後からはふけてブルペン俺たちは健康優良不良少年
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死ぬまでは全員未完成だから出来の程度はさまざまでいい
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咬まれてもコんなに空はにじいロでみそひともシもまだ詠めテいる
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別れ話、コップの水を浴びせてもぼくはじっさいらんまではない
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枕元まぶたの落ちぬまろうどはまれびとたちの舞う夢を見ず
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パッと咲きパッと散りゆくパステルをパラソル越しにパノラマにする
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寅さんのような革張り鞄ひとつ使われぬまま戸棚の底に
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万国の伴天連たちは縛につき陪審員に罵倒を投げる
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ずぶ濡れでズラリと並ぶ随従に厨子のほとけは瑞照を呼ぶ
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「どうしても?」「どうしてもよ」で諦めた反動がいまぶり返している
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灰色の波濤をすすむ白皙の遥か後ろはハルシネーション
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たましひの助かる術は胎動の妙なる音に対峙するのみ
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苗床になれ果ててなお涙だけ流れて落ちる名無しの眼
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検索性ばかり優先されていてたまの出会いはタブレットにない
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ひとさらに南アジアと欧州と豐葦原瑞穂国が
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駄目押しに唾腺のゆるむだくだくの出汁が染み入る大根の味
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