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感覚・空想・生活

牛酪を求肥でつつみぎゅっとした牛乳もちを牛耳っている
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乾燥の済んだ肌着を柔肌と洗濯槽で往復させる
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曇天は誰しも影を失うので堂々と昼日中をあるく
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目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
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今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
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給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
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西方に赤き幟のはためいてその児の遊ぶ都はあるか
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心根は英国人のつもりなのでこれくらいでは傘をささない
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病院は満員であり全席が優先席のような待合
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禿頭に匹敵せらる灯火をスマホに照らしおんじがすわる
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あのひとはおれが寝ている六年のに結婚し子は小学生
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胸元の赫いしるしをとがめられやっかいな蚊と云う浅い嘘
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ギャンブルに謔浪しては瘧疾の逆境すらも逆縁とする
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脚本は却下されずに客演の華奢なスターが脚光を浴び
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飛び出した腸を見てなんとなくヒトのホルモン鍋は不味そう
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なかなかに取れない疣と思いきやSFTSを播くあいつだ
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銀色の義肢を軋ませぎらぎらと吟味している銀河のいろを
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蒼ざめたインドのエール一杯できみは帰ってしまいひとりで
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如月の霧雨が沁む傷痕に騎士団長は北風を負う
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幾たびも今を限りと生きのびて巌のごとき威容は褪せる
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腹が鳴る大きな召使いがまだ起きてないので殴りに行こう
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「太るぞ」と。そんなことはわかっている、だが今食わねばわたしではない
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わたつみをわたるみちゆきわがこひはわびしさのみがわだかまりゆく
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埒もなくlikeがやがてloveになるらせんはここに濫觴を見る
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忽然とぼくが生じたわけじゃない手品じゃ子供は産まれないので
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闇討ちに鑢で消したやわらかな刃をかざす優しいあなた
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午後からはふけてブルペン俺たちは健康優良不良少年
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死ぬまでは全員未完成だから出来の程度はさまざまでいい
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咬まれてもコんなに空はにじいロでみそひともシもまだ詠めテいる
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別れ話、コップの水を浴びせてもぼくはじっさいらんまではない
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