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感覚・空想・生活

食卓にみんなは帰り公園でひとりぼっちのこのゆびとまれ
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釈迦堂に斜影の落ちて綽綽と沙門はひとり釈文を解く
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下履きに時雨はすでにしみ通り羊歯のむこうに鹿の呼ぶ声
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行者らの玉随ひかる暁角を澆季の朝に凝然と聴く
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翠色の花があったら教えてね、と病理学者は助手たちに笑む
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鋼鉄の翼のせいでずいぶんと小さくなった気がする日本
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しっとりと世界はしずか今日だけは見ないで済む君の導火線
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今日からは兄弟たちは凶悪な恐竜として競走にでる
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牛酪を求肥でつつみぎゅっとした牛乳もちを牛耳っている
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乾燥の済んだ肌着を柔肌と洗濯槽で往復させる
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曇天は誰しも影を失うので堂々と昼日中をあるく
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目の前のえものと交錯した目線あいつもなにか撃とうとしたの
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今日だけは今日をあきらめたくはない前傾姿勢のままうとうとと
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給食のきゅうりをのこす九歳は急進的な球児でもある
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西方に赤き幟のはためいてその児の遊ぶ都はあるか
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心根は英国人のつもりなのでこれくらいでは傘をささない
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病院は満員であり全席が優先席のような待合
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禿頭に匹敵せらる灯火をスマホに照らしおんじがすわる
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あのひとはおれが寝ている六年のに結婚し子は小学生
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胸元の赫いしるしをとがめられやっかいな蚊と云う浅い嘘
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ギャンブルに謔浪しては瘧疾の逆境すらも逆縁とする
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脚本は却下されずに客演の華奢なスターが脚光を浴び
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飛び出した腸を見てなんとなくヒトのホルモン鍋は不味そう
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なかなかに取れない疣と思いきやSFTSを播くあいつだ
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銀色の義肢を軋ませぎらぎらと吟味している銀河のいろを
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蒼ざめたインドのエール一杯できみは帰ってしまいひとりで
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如月の霧雨が沁む傷痕に騎士団長は北風を負う
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幾たびも今を限りと生きのびて巌のごとき威容は褪せる
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腹が鳴る大きな召使いがまだ起きてないので殴りに行こう
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「太るぞ」と。そんなことはわかっている、だが今食わねばわたしではない
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