刺草キロ
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シニアスタッフの営業マンです。同性同世代の歌に特に反応してしまいます。また、にわか相撲ファンです。

酔狂は我一人かと思いきや 土砂降りのなか五人が泳ぎ
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蒸す夏もインドのひとらは楽しげに 母国の気候を思ひ出すらむ
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行く末を如何とするやともがらよ 鳩首鳩首でただ盃かさね
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暑気払い母校近くの居酒屋で ともがら集ふこの夏もまた
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アメショやら うちにも棲めば楽しからむ 抜け毛とトイレの始末さえなくば
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豚肉を山椒と糠に漬け込んで みやびにかほるソテーにせむと
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朝餉の卓 初の有りの実あらはれて 喉の火照りを冷ます残暑日
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満月の赤く照らした夏の夜に 通り魔のごと大粒の雨
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松茸の味お吸い物とエリンギでごはん炊く 偽造の秋
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八十八歳は言ふ空襲警報嬉しやと 防空壕でお菓子もらえて
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立秋って暦の誤植じゃあるまいか 言葉の響きされど涼しき
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エアコンに冷えた体で外に出て 「あったかい」などうかつにこぼし
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冷房やシンシンとして肘痛し つけずに亡くなる人もゐるらし
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酷暑ゆえか冷房きき過ぎ我が社内 カーディガン着るなんといふロス
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盆をどり あの輪に入るを躊躇ひて 手をポケットに眺む若き日
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五年かけ使い尽くしたインク壺 日記にきに録した数多のおかず
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今まさに解き放ちたい衝動と 今の暮らしを守る心と
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手垢つく「幻想的」っていふ形容 うたびとならばまずは使わじ
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花火にはミュージックなど なかぶせそ どんといふ音そのあとの間
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どんと鳴る次の間こそやいとをかし 待つ間にかさぬさかづきと豆
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生き慣れたサラリーマンもあと一年 覚悟ができぬ無為といふこと
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リタイア後は農作業せよと妻が言ふ 虫とかでるから嫌だと答ふ
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やってもた罪悪感や半端なし いえ系ラーメン汁まで完食
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仰臥して全身に受く雨粒で 同化してゆく植物界に(屋外プールに行くっ)
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真夏日に不快な匂いの筆頭は 男の汗の刺激臭なり
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静かなる執事のやうな盲導犬 電車の中で身じろぎもせず
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薄曇りすず風冷ます火照り肌 日傘いらずの久々の朝
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河口端パラソルかざし夕涼み 津波警報聞かぬ人をり
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抜き打ちの津波警報そら耳か 常と変わらぬ荒川の嵩
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くま蝉とみんみん蝉が木のごとに 棲み分けて鳴く政党のごと
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